松山英樹(26=LEXUS)が、プロ転向した13年からコンビを組んできた進藤大典キャディー(38)との専属契約を終了すると発表した。

「来年も何試合か担いでもらう予定。ずっとつきっきりだったので1回離れてみて、という感じ」と説明した。故障もあり、未勝利だった18年はメジャーで初めて進藤氏以外にバッグを担いでもらうなど変化が見られた。「本来は終わるつもりはなかった」とも話し「(自分が)期待に応えられないというところで(進藤氏が)ストレスを感じる部分は多少なりともあったと思う」と相棒を気遣った。

進藤氏は「6年間やってきて、ひと区切りをつける。今も尊敬し合える仲ですが、タイミングもある。英樹の力になりきれてないと感じるものがあって、葛藤というか、自分じゃない方がいいんじゃないかと感じることも多くなってきた」と吐露。長年のコンビで互いの心中を推し量れるからこそ、難しくなる瞬間も多々ある。米ツアーでも昨季、ロリー・マキロイ(英国)やフィル・ミケルソン(米国)、ジェーソン・デー(オーストラリア)といった大物が長年のキャディーと関係を解消している。ままならないシーズンを送る中で2人も話し合いを重ね、結論を出した。

松山は「辛抱強く僕のことを受け止めてくれた。感謝しかない」。進藤氏も「英樹は義理堅い。こんな僕を6年間も使ってくれたことに感謝しかない。逆の立場だったら、僕は2年くらいでクビにしてるんじゃないかな(笑い)。そこは英樹の温かいところというか。成長させてもらうことしかなかった」と言った。

“最後”となった試合は2バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの73で回り、通算1アンダーの283で44位フィニッシュ。46位だった前週の三井住友VISA太平洋マスターズに続き「たくさんのギャラリーが来てくれた。優勝という形で応えたかったけど、思いとは裏腹に全然うまくいかなかった」と悔しさをにじませた。グリーン上では今大会初めてエースパターを投入し「(感触が)4日間で一番良かったんですけど、一番入らなかった」。後半11番パー3ではティーショットを池に入れてダブルボギーもたたいた。

タイガー・ウッズ(米国)がホストを務める慈善大会、ヒーローワールド・チャレンジ(29日開幕、バハマ)の後、年明けから米ツアーでの戦いを再開させる。19年は複数のキャディーを起用するか問われ「そうですね」。高校、大学の後輩でプロゴルファーの早藤将太(25)らが候補に挙がるとみられる。「ショットもパットも、不安なく打てるレベルに自分の技術をもっていけたら」と高みを目指し続ける。