ラグビー日本代表のプロップ畠山健介(30=サントリー)が、2月からイングランド1部リーグに挑戦することが26日までに決定的となった。近日中に発表される。00年にサラセンズに加入した岩渕健輔以来、日本人2人目のリーグ戦出場を目指す。

 畠山が、日本ラグビーの歴史を変えたイングランドの地に再び乗り込む。フロントロー(スクラム最前列)の選手としては日本人初の欧州挑戦。イングランド1部プレミアシップでの日本人のプロ契約は、00~04年シーズンにサラセンズでプレーしたSO岩渕健輔(日本代表GM)以来2人目となる。所属のサントリーとは3月末まで契約が残っているため、期限付き移籍での挑戦となる見通しだ。

 FWの選手では、11年W杯ニュージーランド大会の日本代表主将であるNO8菊谷崇(35=キヤノン)が、13年12月から練習生としてサラセンズの練習に参加したが、正式な契約には至ってない。畠山がリーグ戦に出場すればFWとしては日本人初。ラグビーでは、体格的に劣る日本は海外の強豪国には勝てないというイメージがついて回ったが、歴史的な3勝を挙げた昨年のW杯で払拭(ふっしょく)。ジャパンFW陣の看板を背負い、ラグビーの母国へ渡る。

 日本歴代4位の72キャップを誇る畠山は「空飛ぶ横綱」の異名を持つ。安定感あるスクラムもさることながら、プロップとは思えない豊富な運動量が売りだ。ボール争奪戦で体を張るだけでなく、自らボールを持って相手守備の間を抜け、トライを奪うこともできる。W杯を戦ったエディー・ジャパンで武器だった「世界一のフィットネス(体力)」を体現する選手だ。

 プレミアシップのシーズンが終了する5月以降の所属については未定。活躍次第では契約を延長し、イングランドでプレーを続ける可能性もある。

 ◆畠山健介(はたけやま・けんすけ)1985年(昭60)8月2日、宮城県気仙沼市生まれ。小2でラグビーを始める。宮城・仙台育英高では3年時に花園に出場。早大では大学選手権で3度優勝。高校、U-17、19、23と日本代表に選出され、11年W杯では全4試合に出場した。エディー・ジャパンではNO8リーチ主将が不在の時に主将代行を務めた。178センチ、118キロ。家族は妻と娘。血液型はO。

 ◆イングランド・プレミアシップ イングランドの最高峰リーグ。87年設立。12チームが参加し、9月から翌年5月にかけて開催される。ホームアンドアウェー方式の総当たり戦の後、上位4チームがプレーオフトーナメントで優勝を争う。昨季はサラセンズが優勝した。今季は日本代表のNO8アマナキ・レレィ・マフィ(26=NTTコミュニケーションズ)がバースでプレーする。