日本のサーフィン界期待の五十嵐カノア(19)が、20年東京五輪の会場で圧巻のライディングを見せた。米カリフォルニア出身ながら日本代表での五輪金メダルを目指す五十嵐は、2回戦で最高点を出して3回戦に進んだ。

 スピードに乗った切れ味鋭い五十嵐のライディングに、浜辺のファン数百人がどよめいた。10点満点で9・50の高得点。最初のトライで、2組前の大原が出した最高点の8・83を上回った。25分間で6本波に乗り、最後の7・67との合計で17・17。これも大原を超す最高をマークした。

 「サーフィンはショーだから」。五十嵐は胸を張って言った。1本目の高得点は狙っていた。しかも、直前に周囲に宣言した「9・5を出す」を実行。「印象を残したくて」。華麗な波乗りで、ジャッジと観客の心をわしづかみにした。