6月に役員を改選する全日本柔道連盟(全柔連)の次期会長に1984年ロサンゼルス五輪無差別級金メダリストで、全柔連副会長の山下泰裕氏(59)の就任が確実となったことが26日、関係者への取材で分かった。宗岡正二会長(71)の後任として、2020年東京五輪に向けた新体制のかじ取り役を担う。

 全柔連は6月8日の理事会で新理事候補を決定し、同23日の評議員会で承認。直後に新理事による互選で会長を選ぶ。理事は就任時に70歳未満とする定年制が導入されている。

 新日鉄住金会長の宗岡氏は暴力指導問題や助成金不正受給など相次いだ不祥事による前執行部の総辞職を受け、13年8月に全柔連の外部から初めてトップに招かれた。女性役員の登用や評議員会のスリム化など組織改革を図った。

 選手時代に華々しい実績を残した山下氏は国民栄誉賞を受賞するなど、柔道界の「顔」として知名度が高い。日本代表の監督や強化委員長などを務め、宗岡会長の下では五輪や世界選手権の代表選考会議を報道陣に公開するなど、透明性の向上に努めた。