「ミスター・ハンドボール」の宮崎大輔(36=大崎電気)が21日、高校生日本代表の部井久(べいぐ)アダム(18=福岡・博多高)を絶賛した。ダグル・シグルドソン監督(44)のもとで強化を続けるハンドボール男子日本代表はこの日、都内で練習を公開。2年ぶりに代表復帰した宮崎は、初代表の部井久を「シュート力は代表でも1番。すごい高校生です」と評した。

 宮崎にとっては、15年11月のリオデジャネイロ五輪アジア予選(ドーハ)以来の代表。高校生の部井久を見て「すごいのがいて、驚きました」と話した。長く代表を引っ張ってきた宮崎も、代表入りは日体大1年の時。「まさか代表で高校生と練習するとは思わなかった。高校生とやるのは練習会ぐらいだったから」と言った後で「あんな高校生がいたら(教えるのが)嫌だけど」と笑った。

 2年ぶりの代表復帰で、部井久以外の若手の成長にも驚いた。22人が招集された今回の合宿で、もちろん宮崎は最年長。大学生以下が6人もいる。197センチの玉川裕康(22=国士舘大)ら体に恵まれた選手も多く「僕なんか年は一番上なのに、身長(174センチ)は一番下」と苦笑い。「プレーのレベルも、みんな高いですよ」と話した。

 今合宿からは代名詞でもあったエースポジションの「左45度」や司令塔の「センター」ではなく「左サイド」でプレーする。36歳での配置転換にも「今まで分からなかったことが見える。新しい発見があって、楽しいです」と前向きだ。

 左脇腹を痛めたため、大事をとってこの日の紅白戦はベンチで控え組の「ヘッドコーチ」を務めた。目標は29日の日韓戦(東京・駒沢体育館)。25日には22人を18人に絞る代表発表があるが「体調を万全な状態にして残りたい。スタンドは満員らしいし、プレーしたい」。東京五輪を目指す宮崎は、日本代表本格復帰に向けて言い切った。