フィギュアスケートの平昌五輪シーズンのグランプリ(GP)シリーズが20日からの第1戦ロシア杯(モスクワ)で開幕し、男子は羽生結弦(ANA)が2連覇を狙う五輪に向けた戦いを始める。男女のシリーズ上位6人が12月7~9日のGPファイナル(名古屋)に進む。

 羽生は今季初戦のオータム・クラシックで自身のショートプログラムの世界歴代最高得点を更新した。ループ、サルコー、トーループと3種類の4回転ジャンプの完成度や表現力など総合力の高さは随一だが、右膝痛による調整不足で演技時間の長いフリーでは崩れただけに状態を整えることが課題。「挑戦をしないと僕らしい演技は絶対できない」と練習中の4回転ルッツを演目にいつ入れるかにも注目が集まる。ロシア杯では早くも5種類の4回転を操るネーサン・チェン(米国)と激突する。

 羽生を追う世界選手権2位の宇野昌磨(トヨタ自動車)は今季初戦のロンバルディア杯でフリーでは新たにサルコーを加えて4種類5度の4回転を着氷し、自己最高の合計319・84点を出して好調だ。代表3枠の男子で無良崇人(洋菓子のヒロタ)村上大介(陽進堂)らは力をアピールできるか。田中刑事(倉敷芸術科学大)は右腸腰筋損傷でロシア杯を欠場するのが気掛かりだ。