古巣から勝利を挙げて恩返しをする。新潟アルビレックスBBは20、21日の第16節、名古屋ダイヤモンドドルフィンズとアウェーのパークアリーナ小牧(愛知)で対戦する。パワーフォワード(PF)鵜沢潤(36)にとって、名古屋Dは今季新潟に移籍するまで13年間在籍したチーム。これが古巣との初対決になる。新潟はリーグ戦4連敗中で10勝18敗の中地区5位。名古屋Dは11勝17敗で同4位。順位の近い相手に連勝は必須だ。手の内を知る鵜沢が連敗ストップと反転攻勢の起点になる。

 鵜沢は平常心だ。「いつもと同じ気持ちで、チームのために一生懸命やるだけ」。名古屋Dには、日体大卒業後から13年間在籍した。他チームの対戦と違った意識があるのは当然。「僕は気負うと空回りするから」と、ベテランらしく、余分な闘志は押さえ込む。

 落とせない2連戦になる。新潟は現在中地区5位、名古屋Dは4位。新潟は1試合平均81得点、同83失点、名古屋Dは80得点、82失点。得点力は高いが失点も多い、似た者同士。鵜沢は「点の取り合いになってはだめ。いかに失点を抑えるか。そのために自分の仕事をきっちりしないと」と、ポイントはしっかり把握している。

 鵜沢はここまで25試合に出場し、1試合平均出場時間は18分。その中で同6得点、2リバウンド。3点シュート成功率は43%。196センチ、103キロのビッグマンは、外国人選手が1人出場するクオーター(Q)を中心にインサイドで役割を果たしてきた。「たとえ自分が活躍しても勝てなければ意味がない」と、低迷するチーム状況に満足感はない。

 名古屋Dのメンバーのほとんどと一緒にプレーした。「若くて勢いがある選手が多い。シュート精度が高い」と相手の特徴は知り尽くしている。その上で「もちろん僕のことも知られている。まずミスをしないこと」と言う。ブーイングは覚悟の上だ。「敵と認めてくれる証拠。ありがたい」とも言う。「勝って名古屋Dに恩返しをしたい」。その気持ちが新潟の浮上につながるはずだ。【斎藤慎一郎】