平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)銀メダルの宇野昌磨(20=トヨタ自動車)が94・26点にとどまり、5位発進となった。

 ネーサン・チェン(米国)が101・94点で首位に立ち、故障の羽生結弦(ANA)に代わって初出場の友野一希(同大)は82・61点の自己ベストで11位。来年さいたま市で開かれる世界選手権の最大出場3枠確保には、上位2人の順位を合わせて「13」以内が必要になる。5位の宇野と現在11位の友野を合わせると「16」。15年大会以来、3季ぶりに2枠に減る可能性が出てきた。

 右足甲の痛みを抱えながら、宇野は今できる最大限を出し切った。冒頭の4回転トーループは2・29点の加点(最大3点)を導いて成功。だが、痛みから難度を落とした中盤のサルコー-トーループの連続3回転でつまずいた。サルコー着氷後に続けてトーループに持ち込めず「力が有り余って変なジャンプになり、バランスを崩した」。トーループは2回転となり、大きく基礎点を落とした。

 演技後は少し笑みを見せながらも唇をかみしめた。「欠場(の考え)はなかった。試合で気持ちが高まり、痛みなく臨めた」。痛み止めと気持ちの高ぶりで、この日は予想以上に体が動いた。「今日の状態だともっとできた。もうちょっと無理できるんじゃないかと思います」。24日のフリーに向け、「もとの構成を最後まであきらめない」と、平昌五輪同様の4回転4本のプログラムをやる意志を示した。

 平昌五輪代表の田中刑事(倉敷芸術科学大大学院)は80・17点で14位だった。