バドミントンの再春館製薬所は24日、17年世界選手権女子ダブルス銀メダルの福島由紀(24)広田彩花(23)組の去就について見解を発表した。同社によれば3月末に退職届が提出されており、家族から選手を慰留する声があったため、手続きを保留しているという。現在2人は中国・武漢で行われているアジア選手権に参戦中。終わり次第、意思を確認し、変わらなければ4月30日をもって退社になる。

 2人は、再春館製薬所の今井彰宏元監督が在籍している岐阜トリッキーパンダースに移籍する意向。日本実業団連盟の取り決めで、前所属の移籍承諾が得られていない場合は、国内の団体戦に2年間出場できないが、同社関係者は「他チームでプレーできないようにするなど邪魔するつもりは一切ありません」とし、移籍も認める方針という。文書では、地元熊本出身の2人について「東京オリンピックでのメダルを目指してともに頑張っていきたいという気持ちは強くあり、今回の退社の意向は非常に残念ではありますが、今後もバドミントン界を盛り上げるために頑張ってほしい」とした。

 また、今井氏の金銭的不正行為について、13日に日本協会に告発状を提出したことも発表した。今井氏はバドミントン部発足の15年春から監督を務めたが、社内調査で金銭的不正行為が発覚し、昨年1月に監督を解任されていた。再春館製薬所は「今後のバドミントン界の健全な発展、バドミントン選手の私生活の平穏と安定およびバドミントンに関わる人や企業が永続的に応援していけるように、厳正な処分をお願いします」として、協会に処分を求めた。

 同社は、女子シングルス世界ランキング1位の山口茜(20)も所属する強豪。昨年8月には、15年世界選手権銅の福万尚子、与猶くるみ組がヨネックスに移籍している。