卓球男子の16年リオデジャネイロ五輪男子シングルス銅メダルの水谷隼(29=木下グループ)が17日、ワールドツアー韓国オープン出場に向けて羽田空港を出発した。6月上旬のジャパン・オープンは欠場したが、後半戦に向け、調子を上げてきている。「2週間はナショナルトレーニングセンターで合宿していた。最近は練習が出来ていなかったので体の動きが良くなってきた。今は良い状態なので、この状態で世界のトップとどれだけやれるかワクワクしている」と期待感を口にした。

 6月中旬、5年間主戦場に置いてきたロシアで、ロシアリーグ、ロシアカップを制し、2冠を達成、集大成をみせた。その後、海外生活に区切りをつけ、20年東京五輪に向け、再び拠点を日本に戻した。「ロシアでたくさんの経験をさせてもらった。学んだことを生かしていきたい。今まで以上にもっと強くなれる気がする」と今後の可能性を見いだす。

 15歳の張本智和(エリートアカデミー)の活躍を刺激にしている。後輩は、ジャパン・オープンでワールドツアー2勝目を飾り、世界ランキングは日本勢最高の8位まで上昇と加速度的に成長している。「やっぱりすごい。あの年齢で(リオ五輪金メダルの)馬龍(中国)に勝つんだから。あのレベルにいけるように」と自身のモチベーションにしている。

 五輪選考会が始まる来年1月まで、結果よりも質を求めていく。「今は結果はそれほど意識しなくてもいいと思っている。自分が練習していろんな手ごたえをつかんでいきたい」と話した。