日本大学水泳部の上野広治監督(59)は26日、都内で会見を開き、横浜国際プールで行われた日本学生選手権の公式練習日だった6日、都内の寮で部員同士の暴力行為があったと発表した。大会に向けた準備中に、2年生の男子選手が居眠りしていたことに、上級生の3年生が怒って暴力をふるったという。

上野監督は、加害者の3年生と被害者の2年生の間で、17年5月にも暴力事件が起きていたことを明らかにした。同監督は「昨年の5月(先輩が後輩の)おなかを強く殴ったということが発覚し、2度とあってはならないと申し合わせた。同じ2人です」と認めた。その上で「新入生として部の規律、体操とか指導中に起きたこと。被害者から申し出があったので、なぜそういうことが起こったのか事実確認した」と説明した。

被害を受けた2年生の母親も会見に同席し「心配で不安な気持ちになることに尽きる」と語った。一方で「息子が先輩から暴力を受けたのは、(今回の暴力の件で)12日に上野監督と奥様がうちにいらっしゃった時に初めて聞いた。息子からは聞いたことがない」と説明した。

一方で「思い起こせば、寮での共同生活、ましてや仕事があって朝練もある生活に慣れず、まいっていたみたい。自分は『もう無理かもしれない』と弱音を言ってきたことは1、2回ある」と、息子がつらさを訴えてきたことを明かした。ただ「(17年)5月下旬の入部式があった時、上野監督からごあいさついただき『もし、息子さんが心配があると言ってきたら、僕に言ってきてください』と言っていただいた。だから夜、眠れなくなるような心配はしていない」と、上野監督と日大水泳部への信頼を強調した。【村上幸将】