女子バレーボール世界選手権は19日、横浜アリーナで準決勝が行われる。カードはセルビア対オランダ、中国対イタリアで、試合を翌日に控えた18日、同アリーナで監督会見が開かれた。

セルビアのテルジッチ監督は体調不良で欠席し、オランダのモリソン、中国の郎平、イタリアのマッツァンティの3監督が出席した。その中でも絶大な存在感を発揮したのが郎平監督だった。

壇上では真ん中に座り、厳しい表情で一点を見詰め続けた。発言は必要最低限で「チームはこの大会を通じて進歩し、いい状態で戦える。イタリアは進境著しいチームだが、勝利を取りにいきたい」と抱負を明かした以外は多くを語らず。中国人記者の選手に関する質問を「この場ではなく、あとで答える」と一喝してさえぎった時は、日本メディアの間から「コワ~ッ」というささやきがもれたほど。

57歳の郎平監督は1980年代の中国黄金時代にエースとして君臨。81年W杯、82年世界選手権、84年ロサンゼルスオリンピック(五輪)で金メダルを獲得する原動力になり、その強打は「鉄のハンマー」の異名を取った。日本の中田久美監督(53)とも現役時代に何度も対戦している。

指導者としても95年に中国代表監督に就任し、低迷していたチームを再建。96年アトランタ五輪、98年世界選手権で銀メダルを獲得した。05年には米国代表監督に就任して世界を驚かせ、08年の地元・北京五輪では米国を銀メダルに導いている。13年に中国代表監督に復帰し、16年リオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得した。

今大会24チームで女性監督は郎平、中田監督の2人だけ。選手、指導者としての実績は文句なくNO・1の郎平監督は、最後の記念撮影で少しだけ笑顔を見せて会見場を後にした。