反則問題を起こした日大アメリカンフットボール部が17日、横浜スタジアムで今季出場停止処分後初の対外試合に勝利を飾った。社会人Xリーグのブルズを中心の合同チームと対戦。実戦練習を始めて約1カ月だったが、攻守に圧倒して51-6で快勝した。反則したDL宮川(3年)は10月に復帰したばかりのため、ただ1人出場しなかった。

昨年大学日本一となった甲子園ボウルで、1年ながらMVPとなったQB林(2年)が先発した。最初の攻撃でWR大通(2年)への11ヤードパスで先制TDを挙げた。次の攻撃では1年RB柴田が32ヤードの独走。さらにQB沼田(3年)のTDパスと、第1Qで21-0とリード。試合開始から赤の軍団が躍動した。

その後も攻守に実力の違いを発揮して、ラン4本、パス3本と合計7TDに1FGをマーク。守備も強力ラインを前面に圧倒していた。第3Qまでは得点チャンスさえ与えなかった。第4Qに入ってファンブルロストから反則も連発して、ランTDを奪われて完封は逃した。

反則問題を起こした5月6日の関学大の定期戦後、5月13日の名城大戦以来6カ月ぶりの試合だった。初采配となった立命大出身の橋詰監督は「練習通りに、元気よく、フェアプレーで」と選手に指示して臨んだ。宮川以外の90選手は全員が出場した。「やっと試合ができることに感謝し、喜んでいると感じられた。勝つことはできたが、仕上がりはまだまだ。持っているものの半分以下しか出せていない」と話した。

相手はブルズを中心に、明治安田と富士ゼロックスの日大OBが加わって編成された。10月でシーズンを終えていたが、2週間前に試合が組み込まれた。「強かった。特にラインは強く、元気があった。BIG8でかなうチームはいないでしょう」と話していた。

X2のリーグ戦前に正式な審判もつけられた。一般に無料公開され、父母会、OBらが観戦。試合後にスタンドへ向かってあいさつすると「頑張れよー」の声が飛んだ。監督選考委員でもあったアサヒビール有馬ヘッドコーチも観戦。「選手たちが自主性をもって取り組んでいる。以前のような統率性は薄れたかもしてないが、楽しそうにもやっている。このまま順調にいってもらえれば」と話した。

白星で再出発したが、来季処分が解除されても1部下位リーグのBIG8からのスタートとなる。甲子園ボウルに出場できるTOP8昇格は、早くて20年になる。橋詰監督は「まだほんの1歩。次の一歩へ、小さくても少しずつ。道のりは長い」と話した。24日にはアサヒビールと対戦し、その後も年内に4試合程度を予定している。