16年リオデジャネイロ五輪女子団体銅メダリストの伊藤美誠(18=スターツ)が女子初の2年連続3冠(シングルス、女子ダブルス、混合ダブルス)を達成した。快進撃を続けていた木原美悠(14=エリートアカデミー)を4-1で下した。

シード対象選手とはいえ、今大会17試合目(シングルス6試合、女子ダブルス5試合、混合ダブルス6試合)。大会序盤には「(睡眠時間が)9時間は欲しいんですよ…。いつも8時間以上は寝ているので」と眠たそうに目をこすった。

試合で最大限の力を発揮するため、工夫を凝らしてきた。寝る前にはアイマスクを着用し「目の疲れが取れる」。今大会は前年度女王の立場として臨み、14日の開会式では男子の張本智和と並んで選手宣誓。前日13日には「選手宣誓の文が頭でぐるぐると回って、寝たのが(午前)2時ぐらいでした」と新たな経験もした。混合ダブルスの相方、森薗政崇(岡山)は「年末から選手宣誓の練習をしていた。練習場で手を挙げて…」と笑いながら明かす。

大会期間中は「普段はかんきつ系だけれど、今回は桜」と、蒸気を当てるアイマスクの香りを変えてリラックス。前日19日の女子ダブルス優勝後には「一番は『楽しんだもん勝ち』。ミックスと女子ダブルスでいい流れができて、シングルスのみになった。シングルスだけに力を使って、目の前の一戦を勝ちきりたい」と誓った。目の前の一戦を落とさないための準備と、その場を楽しむ気持ち。伊藤がまたタフになった。