国際バスケットボール連盟(FIBA)のパトリック・バウマン事務総長(47)が「Jリーグ構想」を立てていることが5日、分かった。日本協会は併存するトップリーグの統一に失敗。FIBAから無期限の国際試合禁止処分を受けた。日本協会の内部文書によると、バウマン氏はピラミッド形態のJリーグ方式の私案を披露した。また文科省、日本オリンピック委員会(JOC)などは、FIBAのタスクフォース(特別チーム)のトップに日本サッカー協会最高顧問の川淵三郎氏(78)を推薦することを決めた。

 昨年12月に来日したバウマン氏は日本協会幹部と1時間45分会談した。当時のバウマン氏の発言は、日本協会の内部文書に書かれてある。A4の紙に9枚。リーグ統合問題については、NBLとTKbjリーグから選抜されたチームによるトップリーグ構想を披露した。

 バウマン氏

 2つのリーグが統合するというよりはすべてのチームを1つにまとめることができるようにしたい。

 

 つまり「統合」というより「選抜」のピラミッド方式のリーグ形態。理想のトップリーグについてこう続けた。

 バウマン氏

 観客もわかりやすく理解しやすい環境を作って、トップレベルの試合を見せる機会を作り、トップリーグのチームで利益が出るような形にしていきたい。

 発言からみると、理想は実力に合わせたピラミッド形態のサッカーJリーグ方式になる。

 現在、NBLに13、TKbjリーグに22チームがある。チームのレベル差は大きい。NBLの東カンファレンスは日立東京が20勝5敗で首位に立つ一方で、最下位のつくばは0勝25敗。リーグ前半から上位チームは下位チーム相手に控え選手を出す。集客面、強化面にも悪影響が出て、複数チームの経営危機が表面化している。Jリーグ方式で、実力の拮抗したチームが集まれば、注目度は高まり、競技力強化にもつながるはずだ。

 リーグ統合を含めた数々の問題は、FIBAの特別チームが改革を主導。文科省、JOC、日本体育協会、日本トップリーグ連携機構は特別チームのトップに日本サッカー協会の川淵最高顧問を、FIBAに推薦することを決定。川淵氏は、バウマン氏の理想とするJリーグ創設を主導し、初代チェアマンを務めた。改革の方向性は一致しそうだ。

 ◆2つのトップリーグ

 94年、将来のプロリーグを見据えて日本リーグ機構(JBL=現NBL)が設立。プロ化を掲げたが、廃部が相次ぎ、リーグ自体のプロ化は進まなかった。そんな中、プロリーグ設置に積極的だった新潟と埼玉が04年8月にJBLから脱退。同11月に「日本初のプロリーグ」としてbjリーグを創設。05年11月、6チームで開幕。FIBAから「1国1リーグが望ましい」との指摘を受けた日本協会は08年に1リーグ制への検討委員会を設置。以来、議論をしてきたが統一は実現できていない。

 ◆今後のバスケット問題の動き

 11日に日本協会の理事会&評議員会が開催される。中旬には特別チームのメンバーが発表される。川淵氏を筆頭に、JOC関係者、日本協会関係者、有識者ら日本人9人とFIBAのワイス財務部長が入る予定。下旬にはバウマン氏も来日。第1回の特別チームの会合が開かれる。