黛まどか「17文字の詩」タイトルカット



[English]

子の集ふ方へ方へとしやぼん玉
(このつどうほうへほうへとしゃぼんだま)

 誰かが吹くしゃぼん玉が、子供たちが集まっている方へと流れて行きます。その様子はまるで、しゃぼん玉が意思を持ち、子供たちの方へ行きたがっているかのよう。

 明るく暖かな春の日差しの中、しゃぼん玉も子供たちと一緒に遊びたがっているのかもしれません。

[季語] しやぼん玉
[季節] 春


ふらここのティファニーブルーの空が好き
(ふらここのてぃふぁにーぶるーのそらがすき)

 ぶらんこには、青く晴れ渡った空がふさわしいもの。青空に飛び込んでいくように、青空に抱かれにいくように漕ぐぶらんこは、とても気持ちがいいものです。

 女性にとって憧れの宝飾店「ティファニー」。そのイメージカラーである春の青空のようなブルーが女性は大好き。そんなティファニーブルーの空へ向かって漕ぎ出すぶらんこは、なおさら楽しく気持ちがいいものです。

[季語] ふらここ(ぶらんこ)
[季節] 春


落椿踏んで式部の恋のあと
(おちつばきふんでしきぶのこいのあと)

 はらはらと花弁を散らすのではなく、花のままぽとりと落ちる椿の姿は、落ちてなお艶があり、とてもなまめかしいものです。しかもそこが、かつてたくさんの式部たちの華やかな恋の場面があった“京都”という舞台であるならなおさら。

 和泉式部の恋、紫式部の恋……。落椿と同じように式部たちの恋もまだなまなましく、そこには今なお彼女たちの恋の息遣いが感じられるようです。

[季語] 落椿
[季節] 春


春の坂のぼりて恋の願かけに
(はるのさかのぼりてこいのがんかけに)

 坂道の上にある恋愛成就にご利益のある神社へ向かっています。坂道は、夏も秋も冬も一年を通して同じようにそこにあるものですが、春の坂には明るく華やいだ雰囲気があるもの。恋を叶えるためにのぼる春の坂はどこか、甘い苦しみを伴った恋の気分にも似ています。

[季語] 春の坂
[季節] 春




Main PageBacknumber Menu