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[English]
新涼の二人を映すウインドウ
夏の暑さが過ぎ去り、ようやく涼しく過ごしやすい季節になりました。心地よい秋風に吹かれながら、恋人と街を歩いていると、ふと目をやったウインドーに二人の姿が映っています。
他人から見ると、二人はどのように見えるのでしょうか。兄妹? 友達? しばらくそんなことを考えた後、他人の目など関係なく、私たちはまぎれもなく恋人同士であり、さわやかな季節の訪れをこうして二人で一緒に感じていられる幸福を、あらためてうれしく思ったのです。
新涼の季節を迎えたウインドーは、私たち二人をきっと、さわやかな恋人同士として映していたことでしょう。
[季語] 新涼
[季節] 秋
天の川指輪はつけしまま眠る
結婚している女性ならば、結婚指輪はつけたまま眠るのが当たり前ですが、独身の女性は時計やイヤリング、指輪といった装飾品は、帰宅後すぐに外すのが普通です。しかしその夜は、わざと指輪をつけたまま眠りました。その指輪は、いとしい恋人からのプレゼント。眠っている間も恋人と離れたくない、恋人の存在を感じていたいという女心なのです。
夜空には、天の川が美しく横たわっています。七夕伝説の牽牛と織女のように、たとえ天の川が二人を遠く隔てたとしても、この指輪をつけていることで、彼の愛をいつも感じていられるような気がするのです。
[季語] 天の川
[季節] 秋
月光に外す時計の影ふたつ
窓から差し込む月明かりの中、彼と私、二人同時に腕時計を外し、同じテーブルの上に置きました。彼が外した時計の影、そして、私が外した時計の影。月光の中、二人が外した時計の影が、寄り添うようにふたつ並んでいます。
人も街も眠りについた真夜中の静寂の中、二人の分身のように寄り添う二つの時計の影。それは、時計にも恋の物語があるかのようにも、あたかも恋をささやき合っているようにも見えます。まるで、時計を外した二人の影のように……。
[季語] 月光
[季節] 秋
稲びかりギアートップに入れしとき
二人が恋人同士になって間もなくのドライブの途中のことです。ハイウエーに乗って加速し、彼が車のギアをトップに入れた瞬間、前方の空にピカッと稲びかりが走ったのです。スピードを上げようとした途端、何かのサインでもあるかのように光った稲びかり。そして、せん光が一瞬浮かびあがらせた、彼のいつもとは違う横顔……。
二人の恋もいまや加速がつきはじめ、止まることも、引き返すこともできない状態になっています。私たちは今確かに幸福のただ中にいるはずなのです。なのに、もう後戻りできない……そう思った瞬間、理由のわからない不安が、この恋物語が悲しい展開となってゆきそうな予感が、私の胸を一瞬かすめたのです。
[季語] 稲びかり
[季節] 秋
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