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[English]
秋風の吹く筋書のなき日より
夏の終わりとともに、幕を下ろしてしまったひとつの恋。それまでは、映画やドライブ、食事など、デートの予定がいっぱい詰まっていた手帳も、恋人と別れた日からは白紙のまま。まるで、そこから先はストーリーのない物語のように……。街はちょうど、色を失くした秋風が吹き始める頃。別離のその日より、私の心にも、秋の風が吹き始めたように感じたのです。
[季語] 秋風
[季節] 秋
知らんぷりして満月が君の上
それは、仲秋の名月の夜。私たちは向かい合っておしゃべりを楽しんでいました。会話の途中、彼を見つめていた視線をふっと夜空に移すと、彼の背後にまん丸なお月さまが……。満月って、人の顔のように見えます。なんだか、二人の様子をお月さまに盗み見られているような気がし始めて、私は、少し落ち着かない気分に。彼はというと、まったく気が付いていなくて、知らんぷりなのですが……。
[季語] 満月
[季節] 秋
恋人を待たせて拾ふ木の実かな
女の子は、四つ葉のクローバーを探したり、木の実を拾ったりすることが大好きです。木の実拾いにすっかり夢中になり、彼を待たせたままの女の子。彼女はきっと、待っていてくれる恋人の優しさに、ちょっぴり甘えているのです。彼のほうも、無邪気に木の実を拾う彼女を見ながら、「愛しいな…」なんて思っているのかもしれません。木の実を拾う女の子と、待っている男の子。そこには、二人だけの信頼関係もあるのです。
[季語] 木の実
[季節] 秋
前略につづく夜長のエトセトラ
秋の一夜、恋人に宛てて手紙を書きました。前略から書き始め、あのことも、このことも……と、書きたいことが次々とあふれてきます。好きな人へと書く手紙は、おおかたが長くなるもの。そのうえ、時は、秋の長い長い夜。たっぷりの夜を使って書く手紙は、いつまでも終わりそうにありません。
[季語] 夜長
[季節] 秋
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