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[English]
東京がじつとしてゐる初景色
世界各国から、また、さまざまな地方から多くの人が集まり、いつも忙しそうに動いている東京。しかしその東京も、お正月になるとみんな故郷へ帰って行き、それまでの活気や賑わいが嘘のように閑かな街になります。特に、丸の内近辺などのオフィス街では、ほとんどのビルがシャッターを閉ざし、道路を走る車の数も少なく、人影もまばら。時間まで止まってしまったかのように、しんと静まりかえったままです。元旦の東京の風景は、いつもの東京の裏側にある、もうひとつの顔を見せてくれるような気がします。
[季語] 初景色
[季節] 新年
初夢のこともあらうにキムタクと
“キムタク”とは、日本で大人気のアイドル、木村拓哉さんのニックネーム。いわば日本版レオナルド・ディカプリオという存在です。かくいう私も、キムタクのことが大好き!だけど、私のほうがずっと年上だし、彼のことをカッコイイなとは思っても、恋人になりたいなんていう気持ちはまったく持っていないつもりだったのですが……。なのに、初夢の中になぜかキムタクが現れ、私たちはしっかり恋人同士に……。目が覚めた後、キムタクの夢を見てしまった気恥ずかしさと、でも、ちょっぴり嬉しい華やいだ気持ちが入り混じった複雑な心境……。さて、夢の中で彼と何があったかは、みなさんのご想像におまかせします。
[季語] 初夢
[季節] 新年
マフラーのもう五分だけ待つといふ
友人が恋人と待ち合わせをしていました。もうすでに1時間くらい待っているのに、彼の来る気配はいっこうにありません。彼女は明らかに約束を破られたのです。「いい加減にあきらめたら?」と言う私に、彼女は「もう5分だけ待ってみるわ」と言うばかり。きっと彼女は、5分後にも同じ言葉を言うのでしょう。彼は必ず来ると信じて……。
この5分は、不安の5分であると同時に、賭けの5分であり、意地の5分であり、そして、自分への励ましの5分、人を信じる力の5分なのでしょう。寒さの中、きゅっと巻かれた彼女のマフラーがとても切なく見えました。
[季語] マフラー
[季節] 冬
冬波の人遠ざける青さかな
どんよりと曇った日の冬の海や、北風に荒れる冬の波ももちろん厳しいものですが、真っ青に晴れた冬の日の青く澄んだ海も、とても厳しい表情を持っています。それは、夏の海の青さとはまったく違う、鋭く切れるような冷酷な青さ。多くの人でにぎわう夏の海の青さが人を受け入れてくれる青だとすれば、冬の海の青さは、まるで人を拒んでいるような青。その青が鮮やかなら鮮やかなほど、「冬の海はとても厳しいのだから、人間は来てはいけない」と、私たちを強く拒んでいるかのような厳しい青をしているように思えるのです。
[季語] 冬波
[季節] 冬
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