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[English]
不機嫌な風にさらして洗ひ髪
風が激しく吹いています。右からも左からも縦横無尽に吹き荒れ、どちらから吹いてくるのかさえもわからないような乱暴な風。そんな激しい風の中を、まだ乾かしてもいない洗ったままの髪で歩いている私……。
そもそも、女性が洗い髪のまま外に出ることはめったにありません。あるとすれば、心の中に何かいたたまれないような思いがあるときではないでしょうか。そして、不機嫌そうに洗い髪をいたぶっていく乱暴な風。だけど風を“不機嫌”と感じてしまうのも、自分自身の心のどこか憂鬱(ゆううつ)な思いがひそんでいるからなのかもしれません。「もう、なんて意地悪な風なのかしら……」。不機嫌な風が、私の髪と心を一層かき乱していくようです。
[季語] 洗ひ髪
[季節] 夏
星涼しここにあなたのゐる不思議
夏の夜空に美しく輝く星たちは、日中の暑さを忘れさせ、涼しげな気分をもたらしてくれるもの。そんな夏の星空を恋人と二人で眺めていたときのことです。
「なぜ今、この人がここにいるのかしら…?」
私の脳裏を、ふっとそんな疑問がよぎりました。例えば10年前、10年後の自分の隣にその人がいるなどということは夢にも思っていなかったのに……。
星を見ているとき、人は、宇宙の神秘や自分が存在していることの不思議などを、ふっと考えてしまうもの。涼しげにまたたく夏の星たちを見上げながら、この人と出会い、恋に落ち、今こうして同じ時間を過ごしている縁の不思議を考えてしまう私なのです。
[季語] 星涼し
[季節] 夏
虹仰ぐサーフボードを砂に立て
長く伸ばした髪を茶色に染めた“今どき”の若者たちが、サーフィンを終えて砂浜へ引き揚げてきました。帰り支度をし、サーフボードをわきに抱えて歩いていると、仲間の1人が空に架かった美しい虹を見つけたようです。
「虹だ!」 その声に、一斉に空を仰ぐ若者たち。そして、虹を見るために抱えていたサーフボードをわざわざ砂に立て置き、しばらくの間、無邪気に空を眺めていたのです。
“虹”と“チャパツのサーファー”というと、少しミスマッチな組み合わせに思えます。だけど、一見、自然になど興味なさそうな今どきの若い男の子たちでも、虹や流星といった自然の美しさや不思議さには心が止まるものなのですね。ちょっぴり意外でしたが、なんだかとてもうれしかった瞬間でした。
[季語] 虹、サーフボード
[季節] 夏
週末を待てないサンダルとピアス
夏が訪れ、新しいサンダルとピアスを買いました。梅雨が明けると、いよいよ本格的な夏の到来! 週末になったら海へ行こう、ドライブをしよう……と、あれこれ計画を立て、とても楽しみにしています。もちろん、買ったばかりのサンダルとピアスを身につけて。
新しい靴やアクセサリーを買うと、それを身につけて外出する日が本当に待ち遠しいもの。新品のサンダルに合う洋服を選んでみたり、鏡の前で何度もピアスをつけたり外したり……と、週末が待ちきれない私。そして、ウキウキした気分の私と同じように、なんだかそのサンダルとピアスも「早く私の出番が来ないかしら……」と、週末を心待ちにしているように思えるのです。
[季語] サンダル
[季節] 夏
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