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《12》

 微風は、テラスに運ばれてきたポタージュスープに、薄い膜を作った。ほどよい温かさが体の中に広がっていく。いつの間にか、その風の冷たさも忘れていた。席を立とうとして、カバンを手にするまでは……。
 ひんやりとした感触に、またひとり旅であることを思い出した。

日が陰ると大浦天主堂の周囲はひんやりする

<撮影・金谷喜久>

黛まどか「長崎恋物語」メーンページ