黛まどか「17文字の詩」タイトルカット
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美しい言葉に胸が熱くなりました 中国の旅=4=

 前回お話しした詩人の李芒さんとご友人の皆さんと一緒に、月を見るために北京の頤和園(いわえん)の湖に船を出しました。

 ところが、その日はあいにく月の無い夜。みんなで湖に浮かんだ月を見たかったなと、とても残念に思ったのですが、そこは皆さん詩人の方ばかり。「月が出ていなければ、月のない無月の夜を楽しめばいい」と、おっしゃるのです。

 俳句でも、仲秋の満月の夜、空が雲って月が見えないときには、“無月”や“曇る名月”と言い、月は見えなくとも、ほの明るい夜空を愛でます。どんな場面でも風情を見いだし、それを楽しむことができるのは、詩をたしなむ人々の素晴らしいところと、改めて実感してしまいました。

 そして、船を降りるときのこと。皆さんが、「今度来るときは、柳絮(りゅうじょ)の飛ぶ頃、ヘップバーンの皆さんと一緒に来てください」と言ってくださったのです。  柳絮とは、春に柳が花をつけ、実を結んだ後に飛ばす綿のような種子のこと。日本でもみられますが、中国では特に盛んに柳絮が飛び、とても美しい春の景観を作り出すのです。「さようなら」ではなく、中国の最も美しい季節への招待状。とても美しく、とても嬉しい別れの言葉に、胸が熱くなった私でした。

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