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【24】宮城県柴田町船岡〜岩沼市(武隈の松)〜名取市〜仙台市 春を送つて歩き継ぐ奥の道−ゆう
拝啓 まどか代表
さまざまな思いを巡らせながら歩いているうちに、岩沼にある歌枕、武隈の松に着きました。2本に分かれた幹が力強く空へと伸びた姿は、芭蕉が「め覚る心地はすれ」と記したとおりです。 桜より松は二木を三月越シ 芭蕉 江戸を出立の際に、門人の挙白より贈られたせんべつの句「武隈の松みせ申せ遅桜」に応えたこの句からも、念願の松をようやく見ることができた芭蕉の感動が伝わってきます。 武隈の松は、伐採や焼失のたびに植え継がれ、今の松は7代目なのだそうです。かつて能因法師が詠み、芭蕉が詠み、私が見上げている松。どれも同じ松ではありませんが、この場所に植え継がれてきたことで歴史がつながれ、歌も継がれて、いにしえの歌人たちと時を超えて心を通わせることができるのですね。 その夜、仙台に到着した私たちは、東北会員の後藤幼子さん、ゆかりさん母子と1年半ぶりに再会しました。「ヘップバーンの女の子はみんな私の娘だから」と迎えてくださった幼子さんの笑顔に、ヘップバーンで出会ったたくさんの仲間たちの笑顔が重なりました。 そして4日間の旅の終わりに、明日から歩かれる代表へ、これまで私たちがバトン代わりに渡し継いできた旅の小物を仙台に置いてきました。「奥の細道」、地図、万歩計、旅のお守りのホタテ貝のペンダントとピンクの幟(のぼり)……。どれも汚れたり、傷ついたりしていますが、この汚れや傷が私たちが歩き継いできたことの証しなのでしょう。 まどか代表、私にはまだ歩くことの意味がよく分かりません。だけど今、地図やペンダントの汚れや傷を、美しく、いとおしく思う気持ちに間違いはないのです。
(かしまゆう=月間へップバーン)
<同行者>古矢智子、柴野はづき(一部同行) |