写真=阪神に連勝し、大喜びの左から松井、清水、高橋由
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自らのタクトで原監督がジンクスを振り払った。ベンチ前で選手をハイタッチで出迎え、初の首位奪取を祝福するファンへ手を振った。「トップに立ったことより、3連戦で勝ち越せたのが大きいですね。短期的なプランでは良し! です。点差は開いたけど、最後まで緊張感がある試合ができた」とトーンを上げた。
阪神先発はルーキー安藤。初対戦だった。今季は阪神ムーア、横浜吉見、中日山井と先発初対戦の相手に3敗。「初もの」に弱いところを露呈し、試合前から「うちは初ものには弱いから。最初から言っとくよ。どうしても投手が有利だから」と苦笑いを浮かべていた。だが攻略の作戦はしっかりと練っていた。
積極的に動いた。1回だ。5番斉藤の中前適時打で1点を先制し、なお一、二塁で川相の打席だった。カウント2−0から3球続けて一塁走者の斉藤を走らせた。ランエンドヒットのサインが5球目にボールとなり結果的に盗塁となったが、捕手浅井の悪送球を誘い2点目。3回2死一、二塁では再び打者川相で、カウント0−2からヒットエンドランを敢行。原監督の「エンドランをやらせたら日本一だから」の期待にこたえ、右前適時打を放った。さらに続く仁志の打席で動揺した安藤が暴投。機動力で4点目を奪った。
「相手が若いバッテリーというのが頭にあったからね」としてやったり。清原、江藤、元木が故障で欠場中。投手陣も入来、ワズディンとケガ人が相次いだ。監督就任1年目で迎えた試練。だが「7、8月に100の状態になればいい。今は順位は意識してない。底力を持ってますから」と冷静に戦力を分析し、若手とベテランを併用して首位にたどりついた。
高校野球の指導者として2度全国制覇の経験がある父貢氏、長嶋前監督を尊敬している。そして97年に米大リーグのワールドシリーズでマーリンズを世界一に導いたジム・リーランド監督を「好きな監督」に挙げた。当時マ軍はシェフィールド、ブラウンらタレント集団。そのスター選手がそろう中で若手、ベテランを適材適所に配して制覇を遂げた監督だった。
この3連戦で斉藤、福井ら若手を育て、1戦目を落とした後の2、3戦目は川相を先発で起用。ベテランの経験を買った。なるほど、今回の3連戦の先発メンバーはすべて生え抜き選手。江藤、清原の不在をチーム一丸となって埋めた。
「まだチームは60%の状態。故障者にもこれが良薬となるはずです」。王、長嶋のONでさえ監督1年目は、優勝どころかシーズン途中で首位に立つこともできなかった。「これからもケツをたたきながら、これでもか、これでもかと育てていきます」。43歳の青年指揮官が、栄光のゴール目指してひた走る。【平井勉】
▼巨人が今季初めて首位に立った。2リーグ制後、巨人の監督は原監督で6人目だが、1年目に初めて首位に立った日と最終順位は
年度監督 初首位 最終 50年水原 3・10 3位 61年川上 4・16 優勝 75年長嶋 な し 6位 81年藤田 4・1 優勝 84年王 な し 3位 02年原 5・12 ?
長嶋、王監督は1年目に1度も首位に立てなかったし、水原監督は開幕5試合目で首位陥落。10試合以上消化して首位は川上、藤田監督に次いで3人目だ。今年は開幕3連敗からの浮上。巨人の開幕3連敗スタートは過去4度あり、途中で首位に立った43、58年は優勝しているが、今年は?
◆巨人 チームの首位奪取に歩調を合わせるように、松井が首位打者に立った。今季4度目の猛打賞をマークし、打率を3割6分8厘まで上昇させた。「首位打者? そうなの。首位? まだまだ(試合は)あるしね」とこの時期でのトップにはむとんちゃく。「こっちは勝つのに必死だから」と、まずは4番の仕事を果たすことが最優先のようだ。