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巨人王手!二岡満塁弾!3戦連続猛打賞

<巨人10−2西武>
 巨人がまたしても西武を圧倒、3連勝で2年ぶり日本一へ王手をかけた。今シリーズ絶好調の二岡智宏内野手(26)が、勝利を一気に引き寄せた。3−1で迎えた4回、2死満塁からバックスクリーン左へ運ぶグランドスラム。この一撃を含む3安打で史上初の3試合連続猛打賞もマークし、MVPも夢ではなくなってきた。清原も今シリーズ2発目を放つなど打線は10点を奪い、投げては工藤が8回2失点好投。投打で圧倒し続ける巨人が、今日30日の第4戦で一気に決める勢いだ。

 クールな男が、力いっぱい右こぶしを握りしめた。4回表2死満塁。二岡がフルカウントからの甘いスライダーをフルスイングすると、打球はバックスクリーン左へ吸い込まれた。シリーズ史上14人目のグランドスラム。無死満塁から仁志、清水が凡退してベンチに漂っていた嫌なムードを吹き飛ばし、リードを一気に6点に広げる値千金の1発だった。「最高の舞台で、最高の仕事ができてむちゃくちゃうれしいです」。一塁ベースを回ったところで、派手なガッツポーズを見せた。

 ダイヤモンドを1周すると、ベンチ前で待つ原監督に思わず抱きついた。「監督にはヘッドコーチ時代からよく声をかけてもらった。迷惑をかけてきたから恩返しできてよかった」。キャンプ中から監督の部屋に何度も呼ばれたが、ほめられた記憶はほとんどない。

 試合で平凡なゴロの処理を緩慢な守備でミスすると、一喝された。「お前は一流レベルの選手で満足するのか。超がつく一流になれ」。厳しく接するのは期待の裏返しと分かっていたから、うっすらと涙を浮かべて、監督の言葉に耳を傾けた。

 4年目の今季、ひ弱なイメージを完全に払しょくした。キャンプ中に左脇腹を負傷したが、気力で治して開幕スタメンに名を連ねた。7月下旬に左ひざを痛めた時も、首脳陣に出場を懇願した。「完全に治すにはゆっくり休むしかない。だましだましやっていくよ」。優勝決定後もルーキーイヤー以来の規定打席到達にこだわって先発出場し続けた。歴代の巨人の遊撃手では最多の24本塁打をマークするなど、史上最強の2番打者としてリーグ優勝に貢献した。

 高校時代に父親を亡くしてからサポートし続けてくれた母喜代美さん(55)はあえて球場に呼ばなかった。東京ドームでの2試合は招待したが「西武ドームは寒いから」と、母の体を気遣った。シャイな性格で、球団広報から「報道陣の質問にちゃんと答えるように」と注意を受けたこともある。だが、内面は違う。この日見せたガッツポーズのように熱い心と、周囲を気遣う優しさを持っている。

 8回表の第5打席で左前打を放ち、この日3本目の安打をマーク。3試合で14打数9安打の大暴れで、3試合連続の猛打賞はシリーズ史上初の快挙だ。たくましく成長した愛弟子に、原監督も「日本シリーズという大舞台をエネルギーに変えてステップアップしてくれた。頼もしいです」と手放しで喜んだ。

 二岡は「ガッツポーズはイメージじゃない? 失礼しました」と試合後はクールな表情に戻った。3連勝で王手をかけたが、原監督も「明日もまったくスタンスは変えない。一戦必勝です」と表情を引き締めた。あと1勝。歓喜の胴上げの瞬間まで、会心のガッツポーズはとっておく。【広瀬雷太】

(写真=本塁に生還し高橋由らに迎えられる二岡)



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