▼7月24日付紙面より
東北NO・1右腕の佐々木大がチームを3年ぶり4度目の甲子園出場に導いた。秋田経法大付の最後の打者を内角の直球で捕邪飛に打ち取るとナインに囲まれ手荒い祝福を受けた。「夢だった甲子園に行けるなんて最高です」と笑みがこぼれた。
決勝は連戦の疲れもあり最速こそ、137キロにとどまった。だが打者の手元で変化する切れ味抜群の120キロ台のスライダーを多投。頭脳的な投球術で9回175球を投げ被安打5、9奪三振(自責点0)を記録。「甲子園がかかっていたので打たせて取るピッチングを心がけた」という。5回には味方の失策で2点を奪われるも中田稔監督(47)は「調子が悪いなりに考えてピッチングをしてくれた。今日は佐々木のおかげで勝てた」と絶賛した。
プロが注目する逸材。最速は145キロ。昨秋の地区大会からこの試合まで公式戦105イニングを投げ134三振を奪った「ドクターK」。6月の東北大会準々決勝はセンバツ準優勝の仙台育英と対戦。10回を投げ11三振を奪いねじ伏せた。「投手は三振を取らなければいけない」というポリシーを持つ。それだけに9回の2者連続三振を奪った後の捕邪飛に「三振に打ち取りたかったですけど…」と苦笑いを浮かべた。
佐々木大は母澄枝さん(会社員=44)と弟の母子家庭。野球を続けてこれたのも澄枝さんのおかげだ。城東中時代は「僕が将来大きな家を買ってあげるよ」と約束。プロを目指し名門金足農に進学した。1年目春の球速は127キロだったが、2年目には135キロまで到達。金足農は県内屈指の練習量を誇るチームだが、工藤浩孝コーチ(35)は佐々木大について「泣き言を言ったことがない」。どん欲に練習をこなし一冬を越えるごとに成長してきた。甲子園に向け佐々木大は「自分の投球をしてまずは1勝を狙いたい」と気合十分だった。【八百板正人】
◆佐々木大志(ささき・たいし) 1983年(昭和58年)7月6日、秋田市生まれ。広面小4年から野球を始める。城東中時代に背筋力は230キロオーバー。中3時に県大会ベスト8進出。昨秋から背番号「1」をつける。家族は母と弟。181センチ、73キロ。右投げ右打ち。血液型はA。
(写真=完投勝利の佐々木大)