▼7月30日付紙面より
全国から古豪、名門など7校が新たに名乗りを上げた。全国制覇4度(春2、夏2)の横浜が、今春センバツに出場した桐光学園を10―7で破り2年連続出場。甲子園夏10度は神奈川県の最多出場だ。千葉では、習志野が14年ぶり7度目の出場を果たした。西東京の日大三は2年ぶり9度目、京都の平安は4年ぶり28度目の出場。今日30日は、埼玉など計5地区で決勝が行われる。
(写真=桐光学園を破った横浜ナインはベンチを飛び出し、マウンド上でガッツポーズする福井(中央)目指してダッシュする)
涙がこぼれた
横浜の、涙、涙のマンモス神奈川大会連覇だった。チームを救った背番号10福井良輔(2年)と主将の平田徹(3年)がマウンド上で抱き合う。両チーム合わせて28安打の打撃戦を制したナインの目から涙がこぼれた。
横浜の前に、昨秋から県内公式戦無敗の桐光学園打線が立ちはだかる。初回に3点を先制したが、エース畠山太(3年)がその裏に2本の3ランを浴びKOされる。「甲子園は、あきらめろ。この試合は楽しめばいい」。ベンチの渡辺元智監督(56)はナインにこう話した。だが平田、杉浦亮太、大河原正人、柳野夏輝、松浦健介、北村幸亮ら1年生からのレギュラー組、昨夏経験者が黙っているはずはない。
7―7で迎えた8回表。途中出場「ハマの番長」平田のひと振りが勝負を決めた。「腐った当たりと言われようが、汚い当たりと言われようが、打ってやろうと思った」。今大会2本目の安打は勝ち越し左前打となる。主将の一打に9回、1年生からのレギュラートリオが続く。3番杉浦、4番松浦、5番大河原の3連打で2点を奪いダメ押し。3アーチで7点を奪った桐光学園が仕掛けた空中戦に、横浜はすべて単打の16本を浴びせて逃げ切った。うち11本を3年生が放った。
「執念ですよ」。今大会スタメン出場2試合の平田が言った。昨秋県大会では優勝候補筆頭も、3回戦敗退。個性派集団をまとめるため、昨年11月に主将を任された。「仲良しチームは駄目!おれは憎まれ役でいい」。ナインに厳しいゲキを飛ばしてきた。だが、それが裏目に出てチーム内がぎくしゃくした。しかし元主将の大河原は「僕たちのために言ってくれていたんです。平田が一番苦労したはず」。1度はバラバラになった集団が平田を中心に再び、まとまった。
10度目の夏の甲子園出場は神奈川県最多。平田は「全国制覇をしたい」と胸を張った。スターはいない。派手さもない。だが狙うのはただ1つ、3度目の夏の全国制覇だ。【横山元保】