エース高市が無安打好救援
【8月1日付紙面より】
帝京は5回途中から登板のエース高市俊(3年)が無安打無失点の好リリーフで二松学舎大付を振り切り、4年ぶり8度目の出場を決めた。
真っ青な神宮の夏空に高市の太い両腕が突き刺さった。仁王立ちのエースめがけて内、外野からナインが集結。笹沢学捕手(3年)の目からは涙があふれ出た。本塁打を打ってもガッツポーズしないタレント軍団が、このときばかりは全身で喜びを爆発させた。新チーム結成後、1勝1敗で迎えた二松学舎大付との大一番。苦しい試合をものにして4年ぶり8度目の頂点に立った。
立役者は「背番1」を背負う高市だった。5回表。1点差に迫られ、なおも2死一、二塁のピンチでマウンドに上がった。4回に3試合連続27号ソロを打っている4番山崎との直接対決。「エースの自覚を持って気持ちだけで投げました」と真っ向勝負を挑んだ。最速140キロ直球とスライダーで外角を攻め、最後はこん身のスライダーで空振り三振に仕留めた。これで相手に傾きかけた流れを断ち切ると同時に、エースとしてのプライドを取り戻した。
今大会3試合、13回を投げて3失点。持ち味の制球が乱れ6四死球と本来の投球ができなかった。前日夜のミーティングでは、チームメートから「そんなピッチングじゃダメだ」と厳しく非難された。落ち込む高市に対し、全国準V右腕で元ロッテの小林昭則コーチ(34)は「周りはいろいろ言うがフォームも球筋も悪くない。自信を持て」と、自尊心を呼び起こした。
山崎に投げ勝ったことでリズムに乗ると、残る4回を無安打無得点、7奪三振と完ぺきに抑え切った。カウントが悪くなると、この日朝ベンチ入りメンバー全員が高市の帽子のツバに書いたメッセージを見つめて、自らを奮い立たせた。
前田三夫監督(53)は「高市は追い込むと強いタイプ。やってくれると思っていた」と目尻を下げた。打っても3安打1打点。5−3で迎えた7回には2死二塁からダメ押しの中前適時打を放ち、バットでも貢献した。「甲子園ではもちろん全国制覇です」と、7年ぶり3度目の優勝へ自信をみなぎらせた。強い帝京が甲子園に帰ってくる。
【鳥谷越直子】
| Vへの足跡 |
3回戦: 8−1日比谷
4回戦: 5−2駒場学園
5回戦:10−0正則学園
準々決勝: 5−0芝浦工大高
準決勝: 6−2修徳
決勝: 6−3二松学舎大付
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◆帝京 1943年(昭和18年)創立の私立校。創部は49年。生徒数867人、部員51人。主なOBに近鉄吉岡、三沢。87年夏の甲子園では芝草宇宙(日本ハム)が2回戦で東北(宮城)を相手にノーヒットノーランを達成した。今大会のチーム打率は168打数65安打の3割8分7厘。橋本悳校長。