木内マジック!代打3連打で逆転
【7月28日付紙面より】
茨城は、常総学院が水戸商との名門対決を逆転で制して、2年連続8度目の代表を手にした。ベテラン木内幸男監督(71)の代打起用がズバズバ当たり、大崎雄太朗外野手(3年)の勝ち越し3ランなどで、最大5点差をひっくり返した。
感触は十分だった。勝負を決めた3ラン。大崎雄はところかまわず右腕を突き上げた。うれしくて周りが見えなかった。気が付いたら、水戸商の応援席にまでガッツポーズ。「無我夢中でつい…。すみません」。ヒーローの頭の中を真っ白にするほどの衝撃弾で優勝を決めた。
3回には5点も差があった。好投手・長峰の前に絶望的とも思えたハンディ。しかし、常総学院ナインはあきらめていなかった。6回裏、反撃のきっかけを木内監督がつくった。原、持田、泉田と3人の代打を送り込んだ。「破れかぶれでしたよう」と笑わせたが、実は根拠があった。人気者の原。好機に強く一目置かれる持田。打撃は中軸クラスの泉田。打てば勢いが付く。結果を確信していた。
控え組が打って、レギュラーも奮起した。「長打を狙え」という指示も出た。横川が2点を返す三塁打で続き、最後は大崎雄が3ランで締めくくった。土浦一で選手兼任の監督を始めて以来「50年の体験の中で3つの指に入る試合。監督として、私の歴史が変わりました」。木内監督は涙ぐんだ。1年間、苦しんだ選手の姿が名将の涙を誘った。
「このチームは練習試合だと今まで見てきたチームの中で、一番強いんだけどね…」。大会前に木内監督はそう漏らしていた。練習試合では38連勝。しかし、公式戦では勝てなかった。秋も春も優勝できなかった。大崎雄は「(心労で)体重が6キロも減った時があった」と振り返る。主将を4回も代えるなど荒療治を施した。すべては夏に雪辱するためだった。
最後の主将を務めた持田は「チームの雰囲気を明るく変えてくれって言われた。木内監督? 大会前はあんなに怖い人はいないけど、大会中はあんなに優しい人はいません」。ファンに求められて木内監督が書いたサインには「努力」「情熱」「愛情」「絆」の字。この日、常総学院ナインは、そのすべてを駆使して、甲子園への切符をもぎ取った。【竹内智信】
| Vへの足跡 |
1回戦: 7−0水戸桜ノ牧
2回戦: 2−1下妻一
3回戦:10−0鬼怒商
4回戦:15−4磯原
準々決勝: 9−2日立一
準決勝: 2−1水戸短大付
決勝: 9−7水戸商
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◆常総学院 1905年(明治38年)に開校。戦争のために閉鎖されたが83年(昭和58年)に再創立。生徒数は2278人(うち女子942人)。部員数67人。甲子園は春5回、夏は8回目の出場。主なOBは巨人仁志、日本ハム金子。所在地は茨城県土浦市中村西根1010。青山和義校長。