尽誠、チームイチ明るい今井選手の影に、亡きお母さんへの思いが
3月28日(木)
昨日の雨から一転! 今日は青空が戻った甲子園! さぁて、気を取り直して頑張りましょ〜! 選手同様、休養十分!? …で、すっかり元気を取り戻したヨシネーが注目したのは、第2試合。尽誠学園対水戸短大付の試合でした。
――母へ――
産んでくれてありがとう
育ててくれてありがとう
野球をやらせてくれてありがとう
尽誠に行かせてくれてありがとう
母の夢であり、俺の夢である甲子園
必ず行くぞ
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尽誠学園の背番号4、今井雄一クンのバッグには、こう書かれたTシャツが入っていました。今年の1月6日に亡くなった母への思いを託して作ったこのTシャツ。辛い練習でくじけそうになったとき、この文字を見て頑張ったのだそうです。
ヨシネーが今井クンに会ったのは、開会式の日。選手たちの写真を撮影していたとき、その中でひときわ元気な選手がいました。それが今井クンでした。「いっぱい載せてくださいね〜!」。あまりの元気のよさに、そのときは今井クンに辛い過去があるなんて、想像もつきませんでした。
それは、今年1月6日のことでした。朝5時。大阪の病院に入院していたお母さんが危篤、という連絡が入りました。急いで荷物をまとめて尽誠の寮を出た今井クン。病院に着いたときには、息をひきっとって間もない頃で、死に目には会えませんでした。病名は肺がん。秋から入院していたのだそうです。病名を知っていた今井クンにとっては、いつか来ると分かっていた瞬間でしたが、どうしても受け止められない、辛い現実でした。
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右が今井クン、左が親友の中島諒クン。いつもはこんなに元気イッパイなんです!
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「辛かったけど、しょうがないです。逆に僕が野球を辞めたらもっと悲しむと思う。くよくよしていても一緒です。お母さんとの夢の実現にかけました」。夢――それは、甲子園に出場することでした。「お母さんは、ソフトボールをやっていて、野球が大好きだったんです。甲子園に出ようっていうのが、僕とお母さんの夢でした。そのために尽誠にも出してくれた。入学当初は練習がきつくて、よく夜中にお母さんに電話して励ましてもらいました。優しくて、食事面とかよく気を使ってくれたんですよ。僕は体が小さいから、“小さくてもできることがあるんだよ”といつも話してくれました」
他の選手たちも言います。「寮に戻ってきたときには、なんて声をかけていいのかわかりませんでした」、と。でも、いつもと同じように元気にふるまう今井クン。「確か、アイツ、やたらとギャグかなんかを言っていたと思います。無理にでも、元気にしているんだから、みんなもいつも通りに接していこうって話たんです」と、親友の中島クン。
この試合でも、お母さんの写真と、思いをつづったTシャツをバックに忍ばせて試合に臨みました。「お母さんは中途半端なことが大嫌いでした。だから、今日は思い切ってプレーしたいと思います!」といつもの元気でグラウンドに飛び出していきました。――お母さん、見守ってくれ――という思いを胸いっぱいに込めて。
6対5で迎えた9回表、2アウト一、二塁。今井クンは、ライト前にタイムリーヒットを放ち、チームにとっては大きな1点をあげました。「ランナーを絶対に返したろうって思いました。打った球は外のスライダーです」と、いつもの笑顔を見せてくれた今井クン。「天国のお母さんに最高のプレゼントができました。今日は、お母さんに“ありがとう”と言いたいです」
お母さんとの約束の甲子園で。もっともっと暴れてくれるよね。いつもの元気で、いつもの笑顔で。お母さんのために、ねっ!
さて、一方、破れた水戸短大付。このチームは3人のタイプの違うピッチャーで昨秋、勝ち進んできたチームです。でも、このチームには、影のエースがいます。…って言っても、多分、エースと呼んでいるのはヨシネーだけなのかもしれないんだけど…。それは、14番の坪井博邦クンです。
マウンドのピッチャーが急に崩れてしまって、次に登板するピッチャーの肩ができていないときのために、坪井クンの存在があります。いわゆる、場つなぎピッチャーなのです。「できるだけ、時間稼ぎをするんです。簡単に打ちとってはダメ。1人のバッターをできるだけ粘り強く投げるんです。次のピッチャーの肩を作る時間をできるだけ長くしてあげるのが僕の役目です」
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「こいつがいないと、うちのチームは成り立たないんですよ」と監督からも、大きな信頼を得ている坪井クンです
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試合開始とともにブルペンで肩を作ります。いつおよびがかかってもマウンドに上がれるように。でも、登板ピッチャーが予定外に打ち込まれたりしない限りは、坪井クンの出番はありません。幸いというべきなのでしょうか。昨秋は、坪井クンの登板はありませんでした。
そんな坪井クン。実は――、こっそり話してくれていたんです。「甲子園のマウンドに上がってみたいです…」って。でも、それってチームがピンチの時だよねー。なんだかフクザツ〜。
今日の甲子園緒戦。坪井クンは、ちゃーんと予定通り、初回からブルペンで肩を作っていました。でも、今日は軽くキャッチボールをする程度。でも、9回までブルペンを離れることはありませんでした。結局、坪井クンがブルペンで投げた球は140球近く。「本当は、9回の表、海老根が打ち込まれたときに、監督から“もしかしたらいくかもしれないぞ”って言われたんです。ちょっとドキドキして心拍数がかなり上がっちゃいました」と、ニッコリ。とうとう、登板はありませんでしたが、「また、頑張ります!」と元気に話してくれました。そうだよ、坪井クン! 夏は、頑張って水短の4本柱なんて言われるくらいになってよ! そして、堂々とマウンドでバッターと対戦する姿。見せてよね! マウンドにあがらなくとも、ヨシネーには、坪井クンはれっきとした“エース”に見えました!
緒戦を終えたチームや、緒戦がまだ先のチームは、よく甲子園に試合を見に訪れます。今日のお客様は、「関西御一行さまぁ〜!」午前中の練習を終えてから来ていました。「やっぱり、スタンドで見るより、中でプレーした方がいいですね!」と選手たち。次の試合でも、思う存分暴れてね!
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