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思い入れの一戦。日大三、泣き虫の野崎君。初めての悔し涙
3月31日(日)

 日は、今大会1回戦、屈指の好カードと言われた日大三報徳学園が行われました。去年の夏に引き続き、日大三を担当していたヨシネー。今日は思い入れの一戦をたーっぷり書かせてください。

 “泣き虫”の野崎将嗣クンが泣きました。顔をクシャクシャにして泣きました。野崎クンの涙を見たのは、これが初めてじゃありません。去年も見たことがあります。でも、同じ涙でも意味が違います。去年は、優勝の後の「ウレシ涙」でした。「よかったな」「がんばったな」って言われながら、先輩たちにクリクリの頭をなでられながら泣いていたっけ…。顔をクシャクシャにした笑顔がトレードマークの野崎クン。その悔し涙は、あまりにも悲しすぎました…。
いつもこの笑顔がトレードマークのキャプテンの野崎クン。試合後、「悔しいです」の言葉しか出てきませんでした…

 3対2と報徳学園リードで迎えた9回表。2アウトから清代渉平クン、代打の萩原辰徳クンがヒットで一、二塁で同点、逆点のチャンスを作りましたが、9番佐藤竜一クンが三振でゲームセット。東西の優勝候補対決といわれたこの試合。ヨシネーの担当校、日大三の春が終わりました――。

 「本当によくやってくれました」試合後、小倉監督は開口一番言いました。「選手たちは、たくましくなりました。報徳さんが優勝候補と言われるのは、実力から。うちが優勝候補といわれるのは、去年の3年生が成し遂げた優勝の印象が残っていてそう言われるんだ、と選手たちに言ってきました。向こうの実力は本物です。うちの選手たちも本当に秋から成長しました。でも、その成長度はうちの中でのレベルであって、全国レベルの強さではなかったんです。夏まで全国レベルに鍛えてきたいと思います。でも…本当によくやりましたよ」そう言って選手たちにあたたかい視線を向けました。

 涙で嗚咽する野崎クンともう一人。選手たちの後ろに隠れるようにして泣いている選手がいました。それは、最後のバッターとなってしまった佐藤竜一クンでした。「先輩たちがつないでくれた。僕で終わらせるわけにはいかないと思っていました」佐藤クンはまっすぐを狙っていました。1球目、2球目はスライダーでストライク。「まったく手が出ませんでした。今度は見逃したくない。その一心で振ったんです」――空振り三振。その瞬間、バッターボックスにうずくまってしまいました。スタンドに向かって走るとき、泣いていた佐藤クンに小倉監督がかけよりました。

 「オマエがいないとここまでこれなかったんだよ。いいんだよ。いいんだよ」そう言って、肩をたたいてくれたのだそうです。「…僕…頭が真っ白になりました…。先輩たち、みんなに申し訳ない気持ちでいっぱいで…。でも、アルプススタンドの前で挨拶したら、みんな控えの選手たちがあたたかい拍手をくれたんです…とっても…うれしかったです」と佐藤クン。「夏まで、絶対に打撃力を伸ばして、ここに戻ってきます…」そう言ってうつむいた頬にまた涙が伝わりました。去年のセンバツでは、セカンドの都築克幸選手(現中日)のエラーが失点のきっかけに。都築クンはその悔しさを練習にぶつけ、夏は大きく成長。チーム優勝の立て役者になったんだよね。佐藤クン、いい見本がいるじゃない。夏は、最後に大きい1本を打てる勝負強いバッターになって帰ってきてね!

 んな悲しい敗戦の中で、ヨシネーにはちょっとうれしいことがありました。それは、9回表、2アウト一塁で代打で登場した萩原辰徳クンのライト前ヒットです。萩原クンのことは、この春卒業した昨夏の優勝メンバーから教えてもらいました。「とにかくすっごい練習しているんです。でもねぇ…なかなかその結果がでないんだよね…。だから、萩原には本当に打って欲しいんですよ」と昨夏の優勝メンバーの中でも、とりわけ練習量の多かった原島正光クンが言っていたのです。同部屋の岡部卓クンが言っていました。「いつも朝の5時くらいに起きて、しばらくベットの上で練習しようかどうかって考えているんです。しばらくして、立ち上がってバットを持って練習場に向かうんです。きっと結果がでないから、不安になるんでしょうね」大会前に、萩原クンにイジワルな質問をしたことがありました。

ヨ「そんなに練習しているのに、結果がでないと不安じゃない」

萩原「でも、やらないと何も始まらないから…」

いつも、のほほーんと温厚な藤田クン。初回に初安打、1打点をあげたときのとびっきりのエガオはかっこよかったヨ!

そういってニッコリ笑っていました。そんな萩原クンの、甲子園初打席、初ヒット。ヨシネーは記者席で思わずガッツポーズをしてしまいました!

ヨ「打ててよかったね!」

萩原「でも…自分が打っても勝てなかった。悔しいです。でも、大舞台で打ったことは自信になったと思います。これからは、もっともっと打てる確率を高くして、レギュラーになりたい。もう一度、やり直します!」

萩原クン、もう今日の朝には室内練習場でバットを振っているのかなぁ…。

 は、日大三の選手たちにとって、今日の試合はとても意味のあるものでした。それは、4番の藤田一都選手の出場でした。藤田選手は、昨年のセンバツ前、メンバーに入っていながらも、直前にケガ。甲子園ではギブスをはめたまま、スタンドでの応援になりました。そして夏もまた主力入りを期待されながらのケガと手術。秋の大会では、「藤田を公式戦に出してあげよう」が、選手たちの合言葉でした。そして、この甲子園、この報徳学園戦が、藤田クンにとって初めての公式戦になりました。しかも、4番バッターとして。

左からエース清代クンとキャッチャーの松永クン。このバッテリーで。このエガオで。また夏、会いたいねー!

 前日の夜。全員で「負けないで」を熱唱。差し入れのケーキを食べながら、翌日に迫った藤田君の公式戦出場を喜んだのだそうです。「試合中、ベンチから藤田のプレーをを見ていて、本当にうれしくなりました」と大西裕樹クン。負けはしたけど、これでメンバーが全員そろったんだよね。この試合は、「新生日大三」のスタートなのかもしれません。

 毅然とした態度で、お立ち台で取材を受けていた清代渉平クン。試合を振り返りながらも、最後に「楽しかったです」と胸を張りました。堂々と、真っ向勝負をしたこの試合。清代クンが、またひと回り大きくなったように見えました。

 敗戦の中にも、それぞれが大きな課題を得たこの試合。夏、今よりもさらにでっかく成長した選手たちの取材がしたい。そう思ったヨシネー…最後はすっかりもらい泣きしちゃってウルウルだったけどね…。

日大三の応援団は、野球部が担当。団長は永井クン、三浦クン、守屋クンが中心に。この春は、大会前に初めて応援団のOBの方々の指導を受け、本格的な振り付けも覚えての甲子園。「スタンドをひとつにしたい!」その練習の成果。選手たちにもちゃーんと届いていたよ!



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