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歌手・石原詢子(34)
夢は「詩吟詢子流」を世に継承
【8月21日紙面より】
プロポーションの良さとキュートなフェース。14年前のデビュー時のキャッチフレーズは「演歌アイドル(演ドル)」だった。中堅歌手として活躍している石原詢子(34)。2年前にはNHK「紅白歌合戦」に初出場、今日21日発売の新曲「きずな酒」(作詞里村龍一、作曲叶弦太)では初の夫婦演歌を歌うほど成長した。その原動力となったのは詩吟出身で「師範代」を務めるノドの強さとタップリとした声量だろう。 「4歳のころから詩吟の練習を毎日5時間やってノドを鍛えました。遊びたいから練習がイヤで仕方がありませんでしたが、今は詩吟をやってて良かったと感謝しています。デビューしてお医者さんからきれいな声帯をしているねと褒められたこともありました。風邪をひいても、ノドが痛いとか声が出なくなったことは1度もありません」。 岐阜県池田町にある実家は詩吟の揖水(いすい)流の宗家。他の流派で研さんを積んだ父親が「池田町のある揖斐(いび)郡は美しい水が特徴だから」と揖水流を開き、4男2女の長女として生まれた石原に対する「家元継承」の期待をかけた。それに応え、石原は75年に「第19回中部9県詩吟大会」幼少年の部で優勝したのを皮切りに賞を総ナメ。78年に「日本コロムビア詩吟音楽会」の全国大会で最優秀賞を受賞して天才少女の声も上がった。 12歳で師範代。「家元の代理で詩吟教室に先生として教えに行きました。最初はこんな子供が来てどうするんだという反応でしたが、懸命にやっているうちに家元より面白いと認めてもらえました。父からギャラももらって、いい経験になりました」。詩吟をやりながら芸能界を目指し、やがて父の猛反対を押し切り上京。新聞配達をしながら歌のレッスンに通い、歌手デビューにたどり着く。 詩吟と歌謡曲では発声法が違う。「詩吟のキーはとても高く、歌謡曲の低音が出ないんです。ボイストレーニングの先生から詩吟の歌い方を今すぐやめなさいと厳命されました。すごくショックでしたが、一からやり直したおかげで高音も低音もカバーできるようになりました」。 現在、コンサートでの詩吟コーナーが話題になっている。和服からりりしいはかま姿になり、300以上ある詩吟のレパートリーの中から♪甲斐の山々…と「武田節」「明日坂」などを朗々と吟じる。剣舞の免状も持ち、粛々と舞うシーンもファンにはたまらない。男と女の愛を歌う演歌から叙情あふれる漢詩の世界へ。石原の専売特許のようなステージが続く。 「詩吟は素になってうたうのが基本で、おなかから声を出すのでとても体にいいんですよ。いくつになっても詩吟はやれますし、習う際も手軽でお金はそうかかりません。趣味としては本当にお勧めです」。将来は「詩吟詢子流」の宗家となって、子供たちから老人まで多くの人に教えるという夢がある。【小林秀夫】
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◆石原詢子(いしはら・じゅんこ)本名・石原悦子。1968年(昭和43年)1月12日、岐阜県生まれ。揖斐高卒業後に歌手を目指して上京、88年に「ホレました」でデビュー。「みれん酒」のヒットで00年にNHK「紅白歌合戦」に初出場。NHK「お江戸でござる」に出演、オリジナルソング「きずな酒」を歌う。独身。血液型はA。
◆詩吟 漢詩に節をつけて吟ずる。江戸時代中期に漢詩の吟詠が流行、明治以降は剣舞を取り入れて歌うようになった。本来は無演奏だが、現在は尺八などの伴奏がつくこともある。詩吟の正しい呼吸法を吟息法といい、漢詩の吟詠には二句三息の法が取り入れられている。詩吟の題材は漢詩に偏っていた時代があるが、最近は短歌、長歌、俳句、新体詩、現代詩など対象が広がっている。
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