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タレント・西村知美(31)
「役に立てば」と厚労省認定2級資格
【8月30日紙面より】
「シーツ替え、おむつ替え、着替え、食事の介護、つめ切り…。介護の現場でヘルパーが1日にこなす仕事は膨大。圧倒的に数が足りないですね」。厚労省認定ホームヘルパー2級の資格を持つ西村知美(31)は、介護現場の現状を語る。 西村がホームヘルパーの資格を取ったのは、介護保険法がスタートした00年4月。「どんなにベテランのヘルパーさんでも、3級だとお掃除や洗濯などの事務的作業しか認められなくなってしまった。人に触ることが許されるのは2級以上になり、役に立てばと思って」。専門学校で3カ月間の講習、4日間の実習を経て試験に合格。「学校では驚かれましたね。芸能人辞めてヘルパーさんになるの? ってみんなに聞かれました」と笑う。 ある特別養護老人ホームでの実習では、大きなショックを受けた。徘徊(はいかい)や暴れることを警戒して、窓もエレベーターもカギ付き。「施設はきれいでも、人が閉じ込められているような印象で。ハサミを欲しがるので理由を聞くと、車いすに縛りつけられているベルトを切ろうと必死なんです」。おむつの交換では、泣かれてしまうことも。「皆さん元気なころは立派なお仕事をなさっていたはずで、プライドと闘っている。そういう気持ちを分かってあげたい」。 ちなみに、プロは決して「おじいちゃん」「おばあちゃん」とは呼ばない。あくまでも利用者であり「○○さん」と名前で呼ぶのが鉄則だ。「親しみ感を演出しようとタメ口をきいたり赤ちゃん言葉で接する病院とかがありますけど、失礼ですよね。人生の大先輩に向かって」。ポワ〜ンとした雰囲気なのに、ビシッと的確な言葉が機関銃のように繰り出される。このギャップが頼もしい。 発想の転換で解決できる問題もあると考えている。「ホームでは3食用意されますが、皆さんあまり食べない。体を動かすレクリエーションが月に2回くらいしかなくて、毎日テレビばかりだからおなかがすくわけないんですよ。食べさせることより、おなかがすくようにケアすべきなのに」。しかし、ここでもヘルパー不足が壁になる。「少ない人数で寝不足の中、みんな必死にやっている。理想やきれいごとじゃ済まない複雑な問題ですね」。 ほかにも手話や救急救命士などのお堅い資格や着付け、タイ古式マッサージなどの趣味的資格まで幅広く持っている。「いろんな人と会ってコミュニケーションしたいだけなんです。ボランティア精神なんて立派なものじゃないです。アメリカのお友達と話したいから英語を習うのはボランティアとは言わないでしょう。それと同じ」。資格への挑戦欲は「大学に行けなかった反動かな」とし「合格という目標に向かって将来役に立つ何かをしたいんです。何をやっても自信が持てない自分を変えたい。頑張って、という言葉に説得力をつけたくて」。 資格を通して得たものは「出会い」。「芸能界にいると、そこが世界のすべてのように思ってしまいがち。でも実際は知らない世界がいっぱいあって、いろんな人がいて、それぞれの人から学ぶものがある。それを実感できることを大切にしたい」。生き方そのものが“マジ”な人だ。【梅田恵子】(おわり)
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◆西村知美(にしむら・ともみ)本名・西尾知美。1970年(昭和45年)12月17日、山口県宇部市生まれ。85年「第1回ミス・モモコクラブ」でグランプリ。翌86年、映画「ドン松五郎の生活」で芸能界デビュー。同年「夢色のメッセージ」で歌手デビュー。明るい持ち味で幅広く活躍中。97年、元タレントで飲食店経営の西尾巧氏と結婚。今月中旬の日本テレビ「24時間テレビ25」で100キロマラソンに挑戦、話題となった。身長155センチ、体重42キロ。血液型O。
◆ホームヘルパー 国の進める福祉政策の中で大きな柱となっているのが在宅福祉サービスの充実。ホームヘルパーは高齢者、障害者などの家庭を訪問し、日常の生活全般をバックアップする公的資格で、全国で17万人必要とされる。身体介護ができるのは2級以上。2級は講義58時間、実技講習42時間、実習30時間が必要。1級の試験は、2級取得者を対象に行われる。受験料は無料。問い合わせ先は各都道府県(または指定都市)の福祉担当課。
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