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[バックナンバー]
第26回 山口百恵、桜田淳子、森昌子
 「アイドル」の言葉生んだ(百)(淳)(昌)


山口百恵写真
 プロマイド80年の歴史の中で70年代初頭がターニングポイントになった。それまでの「スター」から新たに「アイドル」という言葉が誕生、ファンに定着させたのが山口百恵(42)桜田淳子(43)森昌子(42)だった。

 「創業以来プロマイドは映画スター中心でしたが70年以降はテレビに登場するタレント、アイドルへ移っていきました。スターは文字どおり手の届かない星ですが、アイドルは親近感を抱かせる存在。3人娘が時代を変え、プロマイドのファン層を広げました」とはマルベル堂三ツ沢博社長(53)だ。

 先頭を切って72年に「せんせい」でデビューしたのが昌子。演歌の小節回しがうまく歌唱力は抜群だった。淳子は73年に「天使も夢みる」を歌い白いエンジェルハットと美ぼうが話題を呼んだ。同年、百恵が「としごろ」でデビューしたが2曲目の「青い果実」から火がついた。3人は「花の中3トリオ」「高1トリオ」を組んで人気加速するが、清純そのもののプロマイドと初々しいシンプルなサインは希少価値がある。

桜田淳子写真"

 3人はデビュー当時こそ東京・浅草のマルベル堂のスタジオや公園でプロマイドの撮影を行ったが、またたく間にトップアイドルとなり、その後はカメラマンが公演先やテレビ局へと追いかけることになった。

 中村孝カメラマン(54)は「初めて撮った時は3人ともまだかわいい中学生だったが、目に力と輝きがあってスターになる予感がしました。淳子も百恵も自分でメークをするのがうまかったし、撮影を待つ間も文句を言わずおとなしかったのが印象的でしたね」と語る。

 アイドルは所属事務所やレコード会社のスタッフの手ほどきでサインを覚え、自己流にアレンジしていくものだ。百恵のサインを見ると、デビュー当時の単純なタッチから年を追うごとに複雑さを増し、個性的かつ芸術的といっていい内容だった。

森昌子写真"

 元担当マネジャーで現在はキングレコード勤務の藤野浩一さん(48)は「百恵の字のうまさは1つの才能です。サインを変えたのも計算ずくでしょうが、スターとして女として成長のあかしだと思います。彼女には、仕事や生き方で決して手を抜くな、ということを教わりました」と話した。

 歌手としてトップへ駆け上がった3人はやがて結婚、芸能界から身を引いた。現在、百恵は2児、昌子と淳子はともに3児のママ。引退して百恵が20年、昌子が15年、淳子も10年近くになるが、3人のカムバックの可能性はほとんどゼロとみていい。「アイドル」という言葉を普及させ、芸能人の魅力は虚像ではなく実像であることを証明した3人。歴史的意義は永遠に消えない。【小林秀夫】

75年売り上げベスト10
女性
 (1)桜田淳子
 (2)山口百恵
 (3)キャンディーズ
 (4)アグネス・チャン
 (5)木之内みどり
 (6)岡崎友紀
 (7)林寛子
 (8)森昌子
 (9)片平なぎさ
 (10)志穂美悦子
男性
 (1)西城秀樹
 (2)ずうとるび
 (3)郷ひろみ
 (4)ジャニーズジュニア
 (5)豊川誕
 (6)フィンガー5
 (7)野口五郎
 (8)あいざき進也
 (9)佐藤佑介
 (10)アンデルセン

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