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モストボイ、スペインリーグの現役選手で初めて銅像に

 【ビゴ(スペイン)22日=山本美智子通信員】ロシア代表MFアレクサンデル・モストボイ(33)が、スペインリーグの現役選手で初めて銅像になることが決まった。所属のセルタをスペイン屈指の強豪に押し上げた功績が認められ来年1月に完成する。ロシア代表GKルスラン・ニグマトゥリン(27)のセリエAベローナ入りも決まった。旧ソ連解体後、一時は低迷した大国ロシアが、攻守の要の躍進でH組首位通過を目指す。

 外国人でありながら、スペインリーグで初めて現役選手として銅像を建てられる−。ロシア代表の大黒柱モストボイの、セルタにおける絶対的存在感を象徴する計画が、着々と進行しつつある。サポーター有志による呼び掛けは、草の根運動として拡大。7000ペセタ(約5000円)を寄付する年金生活者もいる。「今のセルタがあるのは、彼のおかげだから」。銅像は、来年1月スタジアム前に完成予定だ。

 セルタでは1トップの下に位置し、攻撃陣を自在に操る。オランダのヨハン・クライフ氏(54)は、そのプレーを「ピッチの芸術家」と表現した。16日のサラゴサ戦でも、90分間で39本のパスを通し、15本のパスをワンタッチでさばくなど、鮮やかなプレーを見せた。代表でもゲームメークを完全に任されている。「ポジションは、対戦相手で決まる。W杯で日本相手にはトップ下でプレーしようと思っている」と、来年6月9日の日本戦にも照準を合わせている。

 ロシア国内クラブに籍を置く選手が多い中、海外3クラブを渡り歩き、セルタに96年に移籍した。試合中「気分が乗らない」とベンチに下がり、罰金処分を受けたこともある。だが97年イルレタ監督(現デポルティボ監督)に「不満はピッチで発散しろ」と言い聞かされて以来、本来の力を安定して発揮するようになった。この年ロシア代表MFヴァレリー・カルピン(32)もセルタ入り。まじめな性格で、破天荒なモストボイの良き相談相手になった。10位以下の常連だったチームはUEFA杯出場を狙うチームに生まれ変わった。今季も5位につけている。

 モストボイが先べんをつけた国際舞台でのロシア旋風は今、確実に収穫のときを迎えている。この日はロコモティフ・モスクワGKニグマトゥリンのベローナ入りも決まった。判断力に優れ、死角がない安定感が評価された今年のロシアリーグ最優秀選手。知られざる逸材に、ラツィオ、ユベントスなどのビッグクラブも獲得に乗り出していた。「ベローナでは正GKになれると聞いている」。契約期間は4年半。ソ連解体後では初のロシア人セリエA選手となった。

 そもそも、ロシアは、旧ソ連時代欧州を代表するGKを輩出するGKファクトリー(工場)だった。60〜70年代には、黒クモのニックネームで20世紀ロシア最優秀アスリートに選ばれたアレクセイ・ヤシン(享年60)、80〜90年代前半にはW杯3度出場のリナト・ダサエフ(44)がいた。

 だが90年代半ば以降は、GKに泣いた。ソ連解体も弱体化に拍車をかけた。98年W杯フランス大会も出場できず、昨年の欧州選手権も予選のウクライナ戦で、ロスタイムまで1−0とリードしながらGKのミスで出場権を逃した。その後、代表正GKになったのがニグマトゥリン。W杯予選10試合を5失点で切り抜けた。セリエA移籍は、モストボイに続いて守備でもようやく往年の勢いを取り戻したことを象徴した。

 モストボイは自信たっぷりに言う。「日本に勝つ自信? あるよ。オレの予想では2−0かな。今度こそ自分たちの力を世界に見せる」。日の出の勢いのロシアが、日本の前に大きく立ちふさがる。

◆モストボイ激白
 今回はロシアにとって特別なW杯だ。まず1次リーグ突破を狙うが、H組にはフランス、アルゼンチンといった強豪がいなくてラッキーだ。ホームの日本が有利かもしれないけど、正直言って、オレは日本のことは知らない。確か10年前に日本で試合したけれど、忘れた。今年4月のスペイン戦は少し見たけど、背が高くなく、すばしっこいという印象だ。レディアコフ(元横浜F)からも日本のことは何も聞いていない。聞く必要もないしね。

 中田の名前だけは知っている。けど、スペインで彼のことが話されることはあまりないね。ペルージャとローマにいるとき、プレシーズンマッチで2度セルタと対戦しているらしいけど、全く印象に残っていない。城、西沢?知らないな。逆に日本人はロシアを知っているのか? フィジカル中心のイメージがあるだろうけど、それはソ連時代の話。今はもっと技術中心だよ。日本戦? オレの予想では2−0で勝つよ。来年の6月を楽しみにしていてくれ。

◆ロシア代表
 基本戦術は4−5(2−3)−1。スタメン11人のうち約半数を、海外でプレーする選手が占める。また代表選手を多数輩出するスパルタク・モスクワのロマンツェフ監督(47)が代表監督を兼ねており、他国にないチームワークも隠された武器だ。

 攻撃では、1トップのFWベスチャツニフが巧みなポストプレーで前線に張り、創造性あふれる中盤5人が攻撃を組み立てている。ともに天才的なパスセンスを持っているMFティトフがトップ下で、MFモストボイがボランチの位置で前後2つの起点をつくっている。右サイドのMFカルピンがスピード感あふれる突破を見せると、左サイドの新鋭イズマイロフもイングランドのFWオーウェンをほうふつとさせる動きのキレがある。

 守備では、マンマークに絶対的な自信を持つDFチュガイノフとカバリング能力に優れるDFオノプコが統率する。

◆アレクサンデル・モストボイ
 1968年8月22日、サンクト・ペテルブルク生まれ。87年にスパルタク・モスクワでデビュー、ベンフィカ(ポルトガル)、カンヌ、ストラスブール(フランス)を経て96年にセルタ入り。Aマッチ37試合9得点。W杯は94年米国大会で1試合出場している。179センチ、74キロ。



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