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<136回>埼玉で宙に浮くサッカー場

スタジアム新設で聖地大宮ピンチ

 W杯開催のため、名門スタジアムの存在が宙に浮いている。埼玉県はW杯のために、6万人収容の「埼玉スタジアム2002」を建設した。それによって、国内最古のサッカー専用競技場、県営大宮公園サッカー場の行方が揺れている。

 少し古いファンには、大宮サッカー場は忘れられない存在だ。大宮駅から徒歩でも行ける専用スタジアムでは、日本代表の試合も多く行われた。76年に首都圏開催となった高校選手権でも、数々の名勝負の舞台となった。94〜95年には浦和が使用。現在はJ2大宮のホームでもある。ピッチに近く傾斜のきついスタンドの熱気はダイレクトに選手に伝わり、大歓声は反対側のスタンドにぶつかって響き渡った。選手とファンが一体となれる雰囲気を持つスタジアムだった。

 もっとも、県にとってはノスタルジーは関係ない。「サッカー界の方の気持ちも分かりますが、血税を使って運営するサッカー場が県に2つもあるのは、一般県民の支持を得にくいのです」(県関係者)という。埼玉スタジアムは年間7億円もの赤字が見込まれている。その上、大宮も……というのは難しい。

 こうした状況から、県は4月、同サッカー場を大宮市に管理委託(市の金で運営)した。新藤享弘旧大宮市長は、大宮がJ1に昇格した際は増改修工事を行うという意向を示していた。だが、5月のさいたま市発足にともなう市長選で新藤氏は落選。さいたま市としての同サッカー場の改修問題も不透明になっている。

 前出の県関係者は「サッカー場があるために、隣の大宮球場のライトスタンドがいびつな形になっている。埼玉スタジアムという立派な器があるのだから、大宮サッカー場はそろそろ役目を終えてもいいのではと思っています」と、取り壊しさえ視野に入れて話した。国立の西が丘サッカー場とともに、関東圏のサッカーの聖地だった大宮サッカー場が岐路に立たされている。【小西弘樹】



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