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【バックナンバー】

<234回>W杯代表を狙う選手たち/横浜GK川口能活

「飛び出し」を売りに飛び出す

 シュートを打たれる前に、コースをふさぐ。足元への「飛び出し」こそ、GK川口能活(26=横浜)の最大の武器だ。小学校4年でGKを始めたが、最初から飛び込むプレーを得意にしていたという。「どういうわけか、好きだった。何度も顔面を蹴られて、額も切ったけれど、怖いと思ったことは1度もない」。

 現代サッカーで、GKの飛び出しは不可欠だ。特にフラット3でDFラインを浅く保つ日本代表では、DFの背後の広いスペースを埋めるため、リベロ役まで求められる。「GKが前に出てボールを捕れば、DFも楽になる。早く攻撃に切り替えられますから」。

 身長179センチ。GKとして世界的には小柄だが、この「攻める守備」でハンディを克服する。「ポジショニングでシュートコースを狭め、ゴールの枠の外に蹴らせるように仕向けています」。理想は、マンチェスターUのデンマーク代表シュマイケル(193センチ)ではなく、メキシコ代表でときにはFWも演じるGKカンポス(168センチ)だ。

 半面、そのプレーにはリスクもある。コンフェデレーションズ杯決勝フランス戦の前半30分、MFビエラがDF松田と競り合った場面で、迷わず飛び出した。松田の一瞬の遅れをカバーするためだったが、結果は競り勝ったビエラの頭に触れたボールが川口の頭上を越え、決勝点になった。

 トルシエ監督は怒った。ハーフタイムのロッカー室で川口の顔に自分の顔を近づけ、怒鳴りつけた。「お前のせいで台無しだ」。それでも、川口は「自分の判断は間違っていない」と言い切った。振り返れば、この試合でも「飛び出し」でフランスのシュート10本を枠外に追いやっていた。

 日本代表の測定ではダッシュ、跳躍力とも1番。しかし、世界にはビエラのように、さらに優れた身体能力を持つ選手がいることも知った。間もなくポーツマスへ渡る川口は「GKの宝庫」イングランドで「飛び出す」プレーに磨きをかけるつもりだ。【柳田通斉】

 ◆川口能活(かわぐち・よしかつ)1975年(昭和50年)8月15日、静岡・富士市生まれ。富士・天間小3年でサッカーを始め、4年からGK。東海大一中を経て清水商3年で全日本ユースと高校選手権優勝。94年横浜M入り。96年アトランタ五輪に出場。代表Aマッチデビューは97年2月13日のスウェーデン戦で、通算43試合出場。家族は父政昭さん(53)母ひろ子さん(52)兄雄一さん(28)。179センチ、78キロ。


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