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【バックナンバー】

<236回>W杯代表を狙う選手たち/磐田MF藤田俊哉

ゴール前で「消える」男

 磐田MF藤田俊哉(29)の武器は「消える」ことにある。パスがうまく、ゲームメークも巧み。しかし、もう1つ得意なプレーが、ゴールにある。15日の浦和戦、ゴール前に突然現れると、右足で浦和福田と並んでJ最多タイとなる8度目のVゴールを決めた。

 中山や名波らスターのそろう磐田で、脇役に徹している。決して派手な選手ではない。いや、どちらかといえば地味な選手だ。それでも、J通算67得点。120得点の中山が1位だが、藤田もMFにもかかわらず、歴代11位にランクされている。名波が通算24得点だから、その多さが分かる。

 強烈なシュートもない。空中戦にも強いわけではない。174センチの身長はともかく、64キロの体はプロ選手としては、あまりにきゃしゃ。それでも、体の大きい相手DFと競って、ゴールしなければならない。まともにぶつかっては勝ち目がない。相手の死角に入る的確なポジショニングと瞬間のスピードで得点を重ねてきた。「消える」ことで、体のハンディを克服してきた。

 名門清水FCではセンターFWとして日本一も経験した。コンスタントに1試合3ゴールは奪った。当時から小柄だったが「体を考え、どうすればゴールできるかを常に考えていた」。プロ入り時「その体では無理」といわれたが、それもはねのけた。天才MFと呼ばれる今でも「こぼれ球への反応や、得点感覚は捨てたくない」と話す。

 ファンバステン、フリットらがいたオランダ代表の「脇役」として活躍し、磐田で4年間プレーしたMFファネンブルグにも大きな影響は受けた。しかし「彼とおれは違う。彼はゲームメーカーだから」の言葉に「点取り屋」のプライドがのぞく。万能型のゲームメーカーが一番相手に恐れられるのは、ゴール前で「消える」時だ。【清水優】

 ◆藤田俊哉(ふじた・としや)1971年(昭和46年)10月4日、静岡県清水市生まれ。三保一小5年の時に清水FC入り。清水商、筑波大でも高校選手権、総理大臣杯など多くのタイトルを獲得する。94年に磐田入り。98年にベストイレブンとなり、今季第1ステージは最優秀選手に輝いた。A代表通算11試合、2得点。家族は尚子夫人(29)琴乃ちゃん(3)。174センチ、64キロ。


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