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<240回>夢舞台を待つ選手たち/セロ・ポルテーニョMF広山望
南米だからこそ、どんな状況でもひるむことがない「度胸」が身についた。広山がパラグアイに渡って早くも9カ月。生活環境には自然に溶け込めた。前世は南米で暮らしていたかのように、食べ物、気候、街の雰囲気にもすぐになじめた。 唯一苦労したのはピッチ。デコボコは当たり前、芝の刈り込みも一定ではなく、ドリブルするだけで自然と負荷がかかった。「最初、ミニゲームでおかしい、と思った。たかだか20分で息が上がる。毛足の長い芝に足を取られて、知らないうちにスタミナが消耗してました」。慣れるだけで2週間かかった。 交通整備された日本で考えられないのがバス移動だ。5時間程度なら「短い」と最近は感じるようになった。舗装されていないような道路を爆走することもある。車内はほとんどトランポリン状態。それでも平気で眠れるようになった。環境が広山を変え、さらにプレーも変えた。 日本での評価は「サイド攻略でヤリのように突き進めるが、応用力に欠ける」だった。アウエーのスタンドは特有の殺気を感じる。その環境の中で、ずぶとさを身につけた。右サイドの競り合いで他の選手に負けなくなった。守備が不得意だったが、終盤でボランチ起用されるようにもなった。 7月のキリン杯で日本代表に招集された。練習だけで試合に出ることはなかった。「今度呼ばれれば、自分の勝負強さをアピールできる。日本は便利だけど、南米じゃないとつかみとれないものだってある」。W杯は何が起こるか予測はつかない。そんなとき、ちょっとやそっとじゃビクつかない広山が、今の日本代表に欠かせない存在になるはずだ。【寺沢卓】 ◆広山望(ひろやま・のぞみ)1977年(昭和52年)5月6日、千葉県市原市生まれ。習志野高3年で総体V。市原入りと同時に千葉大教育学部に入学し、初の現役国立大生Jリーガーに。右サイドからのセンタリングは的確。U−20日本代表、五輪代表などの代表歴はあるが、A代表は今年7月のキリン杯で初めて選ばれた(出場なし)。175センチ、64キロ。
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