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【バックナンバ ー】

<242回>夢舞台を待つ選手たち/清水DF市川大祐

アーリークロス目指せベッカム

 市川大祐(21=清水)が「アーリークロス」を武器に代表争いに名乗りを上げる。右足から繰り出されるクロスの精度と力強さはJリーグでも群を抜く。22日のC大阪戦でも2アシストをマーク。「アシストランキング」でも10(日刊スポーツ調べ)として、他を大きく引き離してトップだ。「狙ったところに蹴れている。代表合宿にも本当にいい状態で臨めます」。表情には自信があふれている。

 飛躍の理由は「アーリークロス」にある。もともと縦のドリブル突破からゴールライン近くまで攻め上がり、真横に近い角度で上げるクロスが武器だった。しかし、縦への突破に対するマークが厳しくなると、ドリブルで抜いていくことが難しくなった。そこで、突破する前に上げる第2の武器「アーリークロス」に磨きをかけた。「早いタイミングで仕掛ければそれだけ脅威になりますから」。目指すは相手の態勢が整わない状態での速攻だった。

 今年に入ってから徹底的に技を磨いた。センターラインを少し越えたエリアから、時には1日100本以上も蹴った。狙うのは「DFとGKの間」の1点。カーブのかけ具合も、直線的なボールを含めて試行錯誤を続けた。試合を重ねるごとに精度は増していった。

 かつて、理想の選手として90年代前半に「世界最高のサイドバック」といわれたイタリア代表DFマルディーニを挙げていた。しかし、今は迷わず、右サイドから試合を動かすイングランド代表MFベッカムと答える。相手を抜き去ることから、ゴールに直結するクロスを挙げて攻撃をリードすることへ。ベッカムの代名詞でもあるアーリークロスをモノにした市川は「攻撃サッカー」を掲げるトルシエ監督の要求に最も近い存在になりつつある。【大塚仁】

 ◆市川大祐(いちかわ・だいすけ)1980年(昭和55年)5月14日、静岡県清水市生まれ。高部小1年でサッカーを始め、3年で清水FC入り。清水ジュニアユース−清水ユースと進み、U−16、19代表。98年にA代表入りし、4月1日の韓国戦で17歳322日の史上最年少出場を記録。だが出場はこの1試合だけ。フランスW杯も「帯同メンバー」にとどまった。家族は両親と兄3人。181センチ、68キロ。


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