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【バックナンバ ー】

<244回>夢舞台を待つ選手たち/広島MF藤本主税

「阿波踊り」の裏に居残り練習

 広島MF藤本主税(23)は、ゴールを決めた後に披露する「阿波踊り」で、そのキャラクターが全国的に認知された。いつでも明るい、いわば「軽さ」がイメージとして定着しているが、素顔は愚直な努力家だ。全体練習が終わった後でも、常に居残って黙々とFKの練習に励んでいる。最近ではほかの若手選手も影響され、居残り練習に加わるようになった。

 スピード感あふれるドリブルと豊富な運動量、それに1・5列目からの積極的な飛び出し。プレースタイルは、C大阪MF森島寛晃(29)と共通する部分がある。「突破型のプレーヤーは、トルシエ監督の好みじゃないと思っていた」と言う藤本も「森島さんが代表で活躍しているのを見て『これならボクにもチャンスはある』と思い直しました」と活路が開けた思いだった。森島の得点感覚やプレーの精度についても「見習うべきところが多い」と参考にして、代表の座を狙っている。

 サッカー人生も、決して順調ではない。徳島市立高3年時の96年、広島の入団テストに不合格。福岡に入団したが、2年間でわずか11試合しか出場できなかった。98年に30試合出場6得点と結果を残したが、当時深刻な経営危機に陥っていた福岡から年俸ダウン提示。その年のオフに、広島からオファーを受け、移籍を決意した。

 身体能力には恵まれていないが、人の何倍もの努力で補い、道を切り開いてきた。ようやく近づいたW杯代表のチャンスを逃すつもりはない。【中上博】

 ◆藤本主税(ふじもと・ちから)1977年(昭和52年)10月31日生まれ、徳島県出身。徳島市立高時代は3年連続で総体に出場し、2、3年時には選手権出場。96年福岡に入団し、同年アジアユース代表に選出。99年に広島に移籍。シドニー五輪予選に出場。今年7月のキリン杯で初めてA代表に選出された。J通算115試合20得点。168センチ、67キロ。血液型O。


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