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<248回>夢舞台を待つ選手たち/フェイエノールトMF小野伸二
小野伸二(フェイエノールト)は27日に22歳になった。今季からオランダに戦いの場を移し、初めて迎えた誕生日。21歳までとは明らかに違う自分がいる。移籍後わずか2カ月間で、プレーの質は変わった。 小野の出すボールは「エンゼルパス」と呼ばれていた。中田の「キラーパス」ほど知名度はなくても「受け手に優しい」パスの質を端的に表していた。それが今は「デビル」の一面を持ち始めている。 サッカーどころの静岡県生まれだが、幼いころを過ごしたのは清水市ほどグラウンド環境に恵まれていない沼津市だった。「暇さえあれば路上でボールを蹴っていた」。狭い路上では強く蹴ることはできない。コントロールをつけた優しいパスが必要だった。サッカーボールだけでなく、テニスボールも蹴った。まるで南米の選手のような柔らかいタッチはこうして生まれた。 この柔軟なプレースタイルに、フェイエノールトの首脳陣はメスを入れた。最初に指示されたのは、強いパスを相手の足元に出し、それを連続するパスワーク。スルーパスもフワリと浮かせる柔らかいものより、切り裂くような鋭いものを求められた。「今までやってなかったし、こういう練習のひとつひとつが自分にとって大事」。戸惑いながらも前向きに取り組んだ。開幕戦で見せたアシストは、その成果だった。 NAC戦の左サイドからのアシストも同じ。相手DFはおろか、自軍のファンホーイドンクやトマソンさえ追いつけず、逆サイドのカルーにまで届いた。可能な限り強くピンポイントに蹴る。エンゼルパスからはほど遠い「デビルパス」を身につけてきている。 ファンを魅了する優雅なエンゼルパス、そして切り裂くようなデビルパス。天使と悪魔の二面性で、小野が世界のゴールへ迫る。【小西弘樹】 ◆小野伸二(おの・しんじ)1979年(昭和54年)9月27日、静岡県沼津市生まれ。今沢中−清水商高を経て、98年に浦和入団。同年に日本代表入りし、フランスW杯出場。Jリーグでは新人王に輝いた。99年のワールドユースでは準優勝を飾るとともに、ベストイレブンに選ばれた。今年からフェイエノールト移籍。開幕戦のアシストなどの活躍で、早くも主軸になりつつある。175センチ、74キロ。家族は千恵子夫人(22)。
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