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<250回>夢舞台を待つ選手たち/清水MF伊東輝悦
伊東は1本筋の通った「職人かたぎ」である。やるべき時にやるべきことを、堅実に確実にやる。96年アトランタ五輪ブラジル戦の決勝ゴールも、しっかりとゴール前に詰めていたからこそ生まれたものだった。 職人芸を裏打ちするのは鍛え上げられた肉体が持つ高い運動能力だ。「彼の肉体は完全に開発されていて、潜在能力を100%使いこなしている」。清水の福岡重雄チームドクター(52)も、その肉体に太鼓判を押す。「1日中走っても疲れない」とまで言われた持久力と瞬発力が、プレーを支えている。 肉体は早くから完成されていたわけではない。アトランタ五輪後、過度の疲労からくるオーバートレーニング症候群の兆候が見られたことがあった。そこでデータを洗い直し、独自のプログラムを組んで肉体改造に着手した。「仕上がったのは1年後くらいかな。22、23歳のころでしょう」(福岡ドクター)。97年6月、キリン杯で初のA代表入りを果たしたのはちょうどそのころだった。 伊東の職人かたぎは、現在でも変わっていない。今年の9月16日、左かかとの手術を行いリーグ戦を2試合欠場した。ならばと、その間、かかとをつけずにトレーニングができるよう、静岡市内の自宅から清水市三保グラウンドまで約20キロの道のりをマウンテンバイクで往復した。「年齢は関係ないっしょ。国際試合になるとやっぱり気持ちが違ってくるね」。「武器」の手入れを怠らない職人は、黙々と準備を整えている。【大塚仁】 ◆伊東輝悦(いとう・てるよし)1974年(昭和49年)8月31日、静岡県清水市生まれ。袖師小2年からサッカーを始め、袖師中2年時にジュニアユース、東海大一高でユース代表。93年清水入りし、96年アトランタ五輪代表。97年A代表入りし、6月8日のキリン杯クロアチア戦でAマッチデビュー。99年Jリーグ・ベストイレブン受賞。今年1月1日に小、中、高と同級生の恵里子さん(27)と結婚した。168センチ、72キロ。
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