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【バックナンバ ー】

<254回>夢舞台を待つ選手たち/清水DF森岡隆三

攻めにこだわるリベロ

 矢のようなフィードで、森岡が代表を引っ張っていく。1対1に強いなど、ディフェンダーとしての能力も十分。だが森岡のプレーが最も自分の色を見せるのは、ボールを預けられて攻撃に回ったときだ。

 最終ラインから直線的なフィードが相手両サイドの裏を襲う。パス1本で3、4人の相手をごぼう抜きにしてピンポイントのボールを送る。失敗すると何よりも悔しそうな表情を見せる。それだけキックの正確さを重視している証拠だ。「これが自分の売り。そこができないと自分がいる意味がない」。足技のうまさは周囲が「PKを外したのを見たことがない」と口をそろえるほど。フィードを警戒して相手が引けば器用なドリブルで攻め上がる。森岡は自分のポジションについて話す時、「リベロ」という言葉を意識的に多用する。3バックの中央にいれば自動的にそう呼ばれることが多いのだが、守ってラインを統率するだけでは言葉の意味を正確に反映しない。守備に攻撃に、自由自在に動き回ってこそ初めて本当の「リベロ」。自らこだわってそう呼ぶ姿勢に、攻撃参加への強い意思が表れている。

 代表では3バックの中央に加え、右ストッパーを任される。清水でも故障者などが原因で4バックになることがあり、その場合はセンターバックの位置。だが森岡はきっぱりと言う。「真ん中の方が好きですね。ボールをいじって前に出たり、いろいろやるのが好きだから。ストッパーだとそういうわけにいかないでしょう」。守るだけでは満足しない。最終ラインにいても、常に目線は最前線を向いている。【大塚仁】

 ◆森岡隆三(もりおか・りゅうぞう)1975年(昭和50年)10月7日、神奈川県生まれ。5歳でサッカーを始める。桐蔭学園では3年時の高校総体で3位。94年に鹿島入団。93年からユース代表入りして、95年世界ユース選手権に出場した。同年第2ステージ直前に清水にレンタル移籍し、96年に完全移籍した。99年3月のブラジル戦で代表デビュー。昨年12月に元スチュワーデスの香里さん(24)と入籍した。180センチ、71キロ。


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