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<256回>夢舞台を待つ選手たち/鹿島FW鈴木隆行
手で押さえられても、ユニホームを引っ張られても、FW鈴木隆行(25)は力ずくでゴールへ向かう。相手のマークに耐え、倒れず前線でボールをキープ。ペナルティーエリア内ではDFを倒しながらシュートを放つ。「前線で倒れないほうが、ボールキープできる確率が高いから」。ゴール奪取に向け、当然のように前線で体を張ることができるのは鈴木しかいない。 以前から自らの上半身の強さは実感していた。1年からレギュラーだった日立工でも相手DFをなぎ倒しながらゴールを奪った。現在の日本代表FWの中で体格には最も恵まれている。「体は前から強かったけど使い方がよく分からなかった。ただ好き勝手にプレーしていた」。どうすれば、プロ選手として生き残れるのか。その答えを志願して実現した2度のブラジル留学で探し求めた。 留学先だった当時のCFZは試合での戦術など約束事はほとんどなかった。各選手ともボールを持てば、1人だけで得意のプレーを織り交ぜて攻め込む。「個人の力だけでやっていた。この世界は何か持っていないと生き残れない。自分はほかのFWと技術や速さでは勝負にならない。だからフィジカルで勝負したい」。 鹿島入りから5年間で8回の移籍。出場機会に恵まれなかった下積み時代も3日に1度の筋力トレーニングは欠かさなかった。「試合に出たことでさらに体ができてきた。今のプレースタイルができるようになったのも1年前ぐらいから」と発展途上を強調。今年4月に代表入りしたばかりの新星。その力強さはさらに増していくに違いない。【藤中栄二】 ◆鈴木隆行(すずき・たかゆき)1976年(昭和51年)6月5日、茨城・日立市生まれ。小学3年からサッカーを始め、日立工1年で国体選抜入りし、国体ベスト4。同3年時の94年にアジアユース予選の代表としてベンチ入り。95年に鹿島入り。以後、CFZ(ブラジル)−鹿島−市原−鹿島−CFZ−鹿島−川崎F−鹿島と8回移籍。代表デビューは今年4月25日のスペイン戦。Aマッチ通算9試合3得点。182センチ。75キロ。
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