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<266回>夢舞台を待つ選手たち/横浜DF波戸康広
横浜DF波戸康広(25)は特異なフィジカルを持つ。20メートル走2秒8の瞬発力に加え、90分間走り続けても切れないスタミナも持つ。横浜の池田誠剛フィジカルコーチも絶賛する。「疲れると体内で出る乳酸を、素早く除去する能力に優れています。瞬発力もあるから、何度もピッチを縦に全力で往復できる。このタイプは競輪選手に多いのですが、サッカー選手にはそうはいない。ロベルト・カルロス(Rマドリード)に匹敵しますよ」。 選手として脂の乗り始めた今年、ようやくこの武器が注目された。2月の日本代表候補合宿に招集され、4月のスペイン戦でAマッチ初出場。右サイドのMFとして、スペインの誇る左サイドMFムニティスと渡り合い、定位置をつかみ取った。同い年の中田英は近い関係者に「新戦力では波戸が良かった。1対1に強くて足が速いのがいい」と語っていた。これまでユース、五輪などで1度も代表を経験していない波戸は「雲の上」にいる男の高評価を伝え聞き、「マジでうれしいっす」と声を弾ませた。 文字通り飛ぶ鳥を落とす勢いだが、本人は昨年オフからこの状況をイメージしていた。横浜との契約更改交渉で提示された2800万円を保留。「3000万円ください。必ず代表に入って定着します。できなければ、差額200万円を返します」と、自分を追い込んでいた。 フィジカルだけではなく、高校時代までFW、前所属の横浜Fで右サイド、横浜ではDFを経験したことで、プレーの幅が広がっている。今月の欧州遠征では左サイドにも回り、ナイジェリア代表ババンギダの動きも封じた。トルシエ監督の信頼は不動だが、本人は「クロスの精度を高めることが課題。守備だけではなく、ゴールに絡みたい」と気を引き締める。自然豊かな兵庫県淡路島で生まれ育った遅咲きのアスリートは、W杯へのロングスパートに入った。【柳田通斉】 ◆波戸康広(はと・やすひろ)1976年(昭和51年)5月4日、兵庫県淡路島生まれ。滝川二高から95年に横浜F入り。クラブ消滅とともに、合併相手の横浜へ移籍した。00年にDF(ストッパー)の定位置をつかんだ。昨年末、持病の鼻腔(びくう)湾曲症を手術。鼻の通りを良くしてプレーへの集中力をさらにアップした。国際Aマッチ9試合出場。178センチ、70キロ。
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