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【バックナンバ ー】

<268回>夢舞台を待つ選手たち/鹿島MF本山雅志

足の遅さ補う独自ドリブル

 本山雅志(22)ほどボールタッチ数の少ない、ドリブラーはいない。「ドリブルはかけっこじゃないですよ」と言い切る。足は速い方ではない。「50メートル走なんか7秒0ぐらい」。手数を増やして時間をかければ、相手に止められる。相手が体重をかける方向とは逆のスペースに、タイミングを見計らって1タッチで蹴り出してドリブルに入る。自然と蹴ったボールから離れずに走る技術が身についた。

 さまざまなハンディを克服するための試行錯誤が、日本を代表するドリブラーを生み出した。

 サッカーを始めたころから父雅章さん(57)に「ドリブルは面白いぞ、雅志」と言われ続け、ドリブラーになった。しかし、周囲の選手がどんどん体が大きくなる小学6年になっても、本山は身長143センチと小柄のままだった。簡単にドリブルで抜けなくなった。「大きい相手は横にかわすとか、だれもいないところに蹴って走るとか。チャレンジして通用するものを吸収していきました」。

 相手との間合いにも、こだわる。「自分と相手の間のボールがある時、自分の方が近いのかどうか判断する感覚が大切」。独自のタイミングは、決して天性のものではなく、汗の結晶なのだ。

 トリッキーな動きが光る選手はいる。ドリブルがうまい選手はいる。足が速い選手もいる。しかし、本山のドリブルは本山にしかできない。強烈な個性は、日本代表の切り札になる時を待っている。【藤中栄二】

 ◆本山雅志(もとやま・まさし)1979年(昭和54年)6月20日、北九州市生まれ。二島小1年の時、二島サッカー少年団でサッカーを始める。二島中で県大会を2連覇。東福岡高では1年からボランチでレギュラーとなる。3年時には攻撃的MF、FWとしてインターハイ、全日本ユース、高校選手権の3冠を達成した。日本代表は昨年8月16日のボリビア戦でデビュー。Aマッチ通算3試合0得点。175センチ、64キロ。


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