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【バックナンバ ー】

<270回>夢舞台を待つ選手たち/東京V・MF三浦淳宏

信念の左サイド 信念のドリブル

 「名波(浩=磐田)さんも、俊輔(中村=横浜)も、伸二(小野=フェイエノールト)も、いい選手。でも、サイドの選手じゃない。僕は自分の色を出していくよ」。三浦の言葉からは、左ウイングバックのスペシャリストとしての強烈なプライドとこだわりが伝わってくる。

 この位置は、現日本代表で最も競争が激しい。アレックス(清水)が日本国籍を取得すれば、さらに激化必至で、W杯舞台は極めて狭き門になる。それでも、妥協するつもりは一切ない。「トルシエ監督も、僕のスタイルは分かっている。それで必要ないなら、仕方ない」。

 哲学を持っている。「サイドの選手はパサーじゃない。直線的な動きが必要」。名波、中村、小野のようなゲームメークタイプよりも、自ら勝機を切り開くドリブルこそ、最も重要な使命と考えている。10年来のテーマも「いかに相手を振り切るか」。中学から、常に1対1の場面を想定して練習してきた。その積み重ねが、パワフルな高速ドリブルを支えている。

 当然、チームのシステム、監督の思想と食い違うこともある。プレーの可能性を失うリスクもある。しかし、曲げない。日本代表でも、トルシエ監督に自分の意見を遠慮なくぶつける。時には誤解を招いて、試合から遠ざけられたこともあった。それでも、こだわりは捨てない。

 不器用にも思える、いちずな性格。今は、J1残留争い一点に集中している。「そりゃあW杯は出たい。でも、今はチームのことで頭がいっぱい。たとえW杯がダメになっても、今、自分ができることをやっていきたい」。W杯で、信念のパフォーマンスは見られるだろうか。【中村誠慈】

 ◆三浦淳宏(みうら・あつひろ)1974年(昭和49年)7月24日、大分県生まれ。明治北小3年からサッカーを始める。国見高では1、3年で選手権優勝。94年に青学大を中退し横浜F入団。99年日本代表入り。00年にシドニー五輪出場。01年に東京V移籍。Aマッチ15試合、1得点。家族は両親と兄。176センチ、69キロ。


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