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<275回>夢舞台を待つ選手たち/磐田DF大岩剛
磐田DF大岩剛(29)は1対1にめっぽう強い。相手のドリブルに対する粘り、空中戦の競り合いでの高さ、そしてボディースピード。すべてを備え、しかも高いレベルで維持している。チームでは左ストッパーだが、右でも左サイドもこなせる。守備的な位置ならどこを任されても決して期待を裏切らない。そんな仕事人の基礎になっているのが、人に強いプレーだ。 磐田の柳下正明コーチは言う。「彼のプレーには死角がないんです」。人間には利き腕、利き足が必ずある。無意識のうちに体をターンさせれば、人によって動く方向は決まってくる。それは体の左右の運動能力の差となって表れる。ところが、大岩の体には偏りがまったく見られないという。左右とも同じ能力で同じ動きができる。 アルゼンチンの英雄マラドーナにあこがれていた。静岡・清水五中までは右利きのMFだった。ところが、清水商入学後に左DFにコンバートされた。「高校でディフェンスをみっちり教わった。練習? とにかく量が多かった」。筑波大でも左サイドバックをこなし、名古屋でも左を任された。その後にセンターバックも経験した。MFからDFを左右、中央と幅広く経験してきたことが、完ぺきなボディーバランスをつくり上げた。 体が充実しているから故障も少ない。昨年9月に磐田に移籍してからは、中央の田中、右の鈴木らの欠場の穴を確実に埋めてきた。監督との対立から名古屋を去り、代表からも1年以上遠ざかっている。しかし、「高さもあってあれだけ足元も強い選手は、大岩ぐらいしかいない」(柳下コーチ)という運動能力で、日の丸のユニホームを狙っている。【清水優】 ◆大岩剛(おおいわ・ごう)1972年(昭和47年)6月23日、静岡・清水生まれ。三保二小でサッカーを始め、清水五中を経て清水商入り。88年選手権、89、90年総体、90年全日本ユース優勝。筑波大に進み、94年名古屋入り。昨年9月に磐田に移籍。今季は左DFとしてレギュラー定着。父勝也さん(56)母静江さん(59)。180センチ、75キロ。
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