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清水完ぺき!スケート初の金メダル

清水写真 <スピードスケート男子500メートル>

 圧倒的な強さに日本が震えた。泣いた。スピードスケート男子五百メートルで、日本のエース清水宏保(23=三協精機)が完全制覇で金メダルを獲得した。前日の1回目トップから、この日インスタートの2回目でも35秒59の五輪新記録で1位となり、合計1分11秒35で文句なしの優勝を飾った。日本スケート界にとって初の金、冬季五輪全競技でも個人金は、1972年(昭和47年)札幌大会ジャンプの笠谷幸生以来26年ぶり、史上2人目の快挙となった。



清水、堀井と男泣き

清水と堀井  堀井も泣いた。表彰式が終わって、出迎えた清水と真っ先に目が合う。清水がまた泣く。堀井が武者震いした。抱き合った。胴上げが始まった。「今までずっと戦ってきた相手だし……。こらえても、こらえ切れなかった」。日本チームを引っ張ってきた両輪に、言葉はいらなかった。

 2回目36秒41でトータル13位。「全力を出し切った結果だから悔いはない。やり残したことはないと思い、スタートラインに立てた」と口を真一文字に結んだ。勝負には負けた。だが「清水君の金メダルで、日本全体としては世界に勝つレースができた」と続けた。

 その堀井が、ライバルの金メダルをサポートした。「お前は光りの中を歩いていける選手。だから、いつもそれに見合う堂々とした滑りをしろ!」。清水が不振に陥るたびに、ハッパをかけた。精神的な動揺を最小限に抑える心遣いがあった。「500メートルの宏保は世界一」。認めたくなくても、認めた。

 最初は、真のライバルではなかった。堀井が白樺学園高3年の時、清水が入学。小中学校時代から全国に名をはせたスーパールーキーだけに、強かった。だが、上下関係の厳しい日本の学校スポーツの中ではただの1年生。いじめもあった。“普通の先輩と後輩”にすぎなかった。

 「最大のライバル、尊敬できる先輩」(清水)になるまで時間がかかった。91年浅間選抜で大学2年の堀井は、高校3年の清水に負けた。普通の後輩でなくなった。練習に打ち込んだ。「清水君がいなければ長野の舞台には立てなかった」と話した。目の前には常にライバルがいた。

 2人には切磋琢磨(せっさたくま)があった。だから強くなれた。プレッシャーにも耐えられた。「結果は失敗したけど、500メートルの滑りを1000メートルにつなげたい。今日の清水君と同じようにウイニングランをして、今度は逆の立場で僕が泣きたい」。堀井が言った。

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